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カルテット 最終回 グレーと余白と

 

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とうとう終わっちゃいました。始まりがあれば終わりがあり。

 

やっぱり2人が

これまでもマキさんとすずめちゃんの関係について書いてきましたが、最終回でも見せてくれました。

 

hydrangea.hatenablog.jp

 

執行猶予になったもののみんなのところへ帰れないマキさん。もうカルテットは解散しようと後ろ向きな別府くんに対して、すずめちゃんがマキさんを探しに行こう!とドラクエの勇者みたいに勇ましく。

 

巨大な団地に住んでいることまで突き止めた後、すずめちゃんがチェロを持って走り出す。ハーメルンの笛吹き男を地で行くように、3人の音楽の周りに子どもたちがたくさん。

 

戻れない、と思いこんでいたマキさんも、音楽、それも聴いたことのある旋律には駆け出さざるを得ないくらい引き寄せられて…

 

すずめちゃん、手を握って手荒れを発見して、マキさんの髪の毛にある白髪に気づいて、そして自分のジャケットを脱いでマキさんに着せて抱きついて、「マキさん連れて帰る」とひとこと。

 

 く~~~~!!!

 

最後まで見せてくれるわぁ。2人の関係ほんとに好きです。ドラマが始まる時には4人の恋愛模様を描くのかなぁ、なんてぬるいこと考えてたら、こんなのを見せられるとは!!!もう驚き桃の木。

 

グレー、そして余白

エンディングの「おとなの掟」の歌詞。

 

そう人生は長い 世界は広い

自由を手にした僕らはグレー

  

最終回、マキさんがほんとに義父を殺したのかどうか、別府くんの片思いはどうなるのか、家森さんはすずめちゃんに告白しないのか、この4人がどうやって食べていくのか、住むところはどうするのか、そういう物語の終結点を描かずに終わってしまったことで、白黒はっきりつけてほしいと思った方もいるでしょう。

 

実際、一緒に観た娘は、最後まで見せてほしかった…と言ってました。若いなぁ。

 

私もね、ずっと結末をちゃんと描いてほしい派に所属してました。「キャンディ・キャンディ」のラストにも実は不満でした。結局丘の上の王子様と結婚したのか?!とか。反対に「はいからさんが通る」は大団円で終わって満足でした。

 

宙ぶらりんに終わって、結末はあなたの想像に任せますよ、っていうのが嫌いで嫌いで…(半年前のあるドラマへの怒りはまだ収まっていません)

 

でも。

 

このカルテットは、最後までグレー。グレーでこそカルテット。

 

だって、

 

白黒つけるのは恐ろしい

 

んですもん。

 

白黒つけたら何が飛び出すの?見なくてもいいもの、見たくもないものが飛び出してきちゃうかもしれない。だから滅びの呪文は唱えない。

 

はっきりしているのは、マキさんはドーナツホールに戻ってきて、お母さん的ポジションで第一バイオリンとして車も運転しつつ、「秘密を守る」。

 

別府さんは弦好きじゃないみたいだし方向音痴みたいだけど、第二バイオリンをしながらみんなを甘やかす。

 

家森さんはすずめちゃんが好きでコロッケデートしたいしすごく優しい眼差しですずめちゃんを見るけど告白は(いまのところ)しない。

 

すずめちゃんはマキさんが大好きでチェロも大好きで三角コーヒーも大好きで、好きが勝手に溢れてくる。

 

実はこのドラマはほんのプロローグだったのかもしれません。1話、最終話で演奏していたドラクエ3のように。ドラクエ3は、先に発売された1,2より以前へ遡った伝説の勇者のはなしでした。

 

だから、これからがホントの4人の物語の始まりなんだろうな。その余白を残しつつ終わっていく。そんなラストがもうたまらなくいい。

 

4人はこれからも一緒にカルテットとして演奏をし、ごはんを食べ、家森がちゃちゃを入れながら、マキさんがまとめ、笑い、泣き、生きていく。

 

4人のおとなのドーナツたちはホールがなければこの4人じゃないわけで、ホールを大事にしながら、ドーナツで居続ける。そんな4人のこれからの物語。いくらでも想像できそう。

 

賛歌

唐揚げのレモン騒動で始まって、唐揚げの横で「ここにいるよ~」なパセリにサンキュー言って終わりましたね。

 

レモンをかけてしまった唐揚げは洗うことができなくて、やってしまったこと、起きてしまったことは不可逆で、生きてるって取り返しのつかないことばかりなんだけれど、それでも、そこにいてくれる人に感謝しながら、前に一緒に進んでいこうって。

 

欠点があるっていいじゃない。ホールがないドーナツなんてないじゃない。そのままで生きていこうよ。人生やり直しスイッチ押しませんって言えるようになるっていいよ。好きが溢れるっていいよ。

 

うん。そうだね。私も前を向いて行こう。って。思えました。

 

大げさに言うのは気恥ずかしいけれど、これはきっとすべての人間に対する賛歌なんだなぁ。

 

人間ってけっこういいよね。やなことばっかりじゃないよね。好きをあふれさせてみようよ。

 

************

 

お越し下さりありがとうございました。

 

椎名林檎の「青春の瞬き」、今日聴いていて、ああ、この歌詞そのものだなぁって思いました。

 

時よ止まれ 何ひとつ変わってはならないのさ

今正に僕ら目指していた場所へ辿り着いたんだ

 

辿り着いて良かった。4人のこれからに幸多からんことを!

 

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