「カルテット」7話 ふたりの関係性
引き続きカルテットの話を。最近そればっかり考えてるので興味ない方はスルーを…
7話の見どころ
アリスが3回も見せる車のバック運転とか、家森が2度素早く滑っていくところとか、マキさんと夫の決別とか、いろいろありましたね。
その中でもぐっときたのは、すずめちゃんとマキさんの関係。
すずめちゃんの愛
愛って当たりまえだけど、男女間だけのはなしじゃないですよね。同性のあいだにだって同じような愛がある。私はすずめちゃんがマキさんを愛してるんじゃないかと思えてしょうがなく。
マキさんが夫とどこかへ行ってしまうのを止めたいすずめちゃん。 マキさんの腕を掴みます。3話でマキさんがすずめちゃんの腕を掴むのと正反対の絵。
そして。
「夫婦がなんだろう。こっちだって同じシャンプー使ってるし。頭から同じにおいしてるけど? 行かないで。」
指を掴むの。
これが別府さんとマキさん。
別府さんがマキさんを思うように、すずめちゃんがマキさんを思ってるように感じてしまう。
マキさんが何かを耳元で囁くと、
「抱かれたいの」
すずめちゃんはさっと手を離します。
そして何もできず立ち尽くすだけ…哀
別荘に帰ってきてチェロを弾きながら静かに涙するすずめちゃん。マキさんから囁かれた言葉を思い出しながら…
すずめちゃんはマキさん夫に渡したくない。行かせたくない。
自分の思いをマキさんにわかってほしい、行ってほしくない。指を掴んで離さないシーンが大写しになって、一方通行の切ない思いを感じました。
すずめちゃんの本心は
一昨日、友達と話していたのは、ここの場面なんですが、彼女は、この時のすずめちゃんの気持ちは、単に行ってほしくないと思ってたわけじゃないんじゃないか。マキさんを幸せにできない男の元に行かせたくなかったんじゃないかと。
(このお友達とはいつも意見を交換していて、この記事だけじゃなくいつも彼女から得た感覚と考えから影響をもらってます。ありがたいです。)
確かにそうなんだと思いました。自分の思いをぶつけたいだけじゃなく、マキさんがこれ以上傷ついたり悲しんだりするのを見たくないっていうことなんだろうな、と。
すずめちゃんは、マキさん夫の口から「(マキさんを)好きじゃなかった」という告白を実際聞いてるんですよね。(6話、別荘で)
そんなひどいことを平気で言う男。1年もマキさんを放っておくような男。マキさんが愛する価値なんてない、と思ったのかもしれません。
家族
マキさんが夫となりたかった「家族」。
すずめちゃんが得られなかった両親との幸せな生活。
ふたりとも、家族がほしかった。
そして今、カルテットとして同じ家に住む4人は、同じシャンプーを使い、同じ食器を使い、洗濯ものはみんな洗濯機に放り込み一緒に洗う。疑似家族。
すずめちゃんは、マキさんと家族になりたい。魔法少女の過去を持つ彼女に、居場所はこの別荘だよと言ってくれたマキさんは、彼女にとって得難いひとなんですよね。
暖炉の前で
マキさんは、夫に言われた「幸せになってほしい」という言葉でもう一度やり直したい気持ちを失いました。
好きな人から言われるこの言葉がどれほど残酷か。離婚届を出したマキさんはカルテットに戻ってきます。
暖炉に夫との思い出の詩集を投げこむのを見るすずめちゃん。マキさんがどんな思いで帰ってきたのかを知っているすずめちゃん。
「ちょっと、やりますか」
楽しそう。でも悲しそう。でも楽しそう。ふたりが見せてくれた今までの関係性を言葉ではなく音楽で奏でて見せて聴かせる。
言葉や会話じゃなくても思いを伝え合うことができるっていいなぁ。ふたりの関係がとても切なくて悲しくて、でも温かくて、こんな関係性があるんだって教えてくれてほんとじんわりこちらも暖まってくるよう。
どうかカルテットのみんなが幸せになれますように。
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