今週の政虎 ~24回 まさに同志の笑顔 ~
なんなんでしょう。この回は!?囲碁シーンが2度!溢れる多幸感!前から視線で会話はしてたけれど、お互いの目を見合って笑って、ええええ、こちらもこんなに幸せ感じちゃっていいの…?
鶴とわの掛け合い
龍雲丸が「やはりガラじゃねえと思うんでさぁ」と去っていき、直虎は井戸端で反芻中。やってきた政次、
やはりここか
これ、なぜに突然タメ口なの? 最近、ふたりの会話の形態に敏感で、直虎はいつも主としての言葉遣いだから変わらないんだけれど、政次の方はその時々によって口調を変える。いきなりのタメ口は(こちらの)心臓にほんと悪い。
19回の「罪と罰」でもありました。小野屋敷での場面。政次が裏から手を回し、罪人を近藤殿に引き渡そうとしたのを知った直虎が自分の思いを長々と訴えるところ。その後政次が、それまでの敬語を急に変え、
言いたいことは言うたか
と距離を詰めて幼馴染感満載なあのシーンが好きで…
なので、今回いきなりタメ口で攻めてきたので、おお!!初っ端から!幼馴染モードで政次が来たら、直虎もそうなりますよね。
わかったようなことを言うな
どうにも素直にやり取りをすることができないふたりなのがねぇ。特に、井戸の傍では鶴とわに寄っていきがちなんですよね。でも、すぐに政次が敬語で返す。敬語になるとだいたい皮肉入り。
此度は残念でございましたな
と、相変わらずまったく残念とは思っていない口調で龍雲丸のことを話題に出すと、直虎は口では納得したような事を言っていながら、どうにも未練たらたらなのは明らかで。
しかし、のう、但馬、皆あの者たちのように生きられればよいであろうの。
彼らがいかに自由で、生きる術を持っているか。己の生き方をどうにかしようという考えはないものの、彼らの自由さを羨み、自分たちの不自由さへの諦念と葛藤のような響きを感じ取った政次は、それに対してぴしゃりと
買いかぶりが過ぎると思いますが
と打ち返す。もちろん龍雲丸に固執していそうな直虎の様子への不快感も見れる笑 半分嫉妬、半分家老の顔がいい。
共闘共犯態勢
このふたりの関係性についてはもう今までくどいくらいに書いてきたのですが、Twitterを追っていたら、最近は、ソウルメイト、半身、なども出てきました。確かにそうかもしれない。
政次の方が持っているだろう恋愛の感情(本人は全くそんな言葉を使ったことがないのに見ていればこちらには明らかというのが)を隠すと決めている以上、政次がそちら方面の思いを持っているなんて直虎には想像できないことは明白で、それが関係性のねじれというか、見ていると肋骨をぎゅーっと掴まれるというか胃の奥に針を刺されるというか、なんとも言い様のない気持ちになったりします。
いろんな感情を隠した上で、周りを騙しつつ共に歩む同志として家を守っていくと決めた政次。そんな政次は、直虎にとっては幼馴染で頼りがいがあって、ダメなことはダメだと本気でぶつかって諌めてくれる相手で、前回、「政次が誰よりも井伊のことを考えておるのは明らかじゃ」と言うくらいにまで信頼関係を築いてきました。
今回直虎は、今川から来た姻戚を結ぶという名目での人質差し出しに関して、政次からの進言を聞きながら、家そのものの為と、家の者(桜や桔梗)個人の幸せの追求の両立に奔走し、出来る限りのことをやろうとしていました。
そして囲碁をはさんでの龍潭寺での夜の密会x2。周りの目から自分たちが共闘していると知られない為なんでしょう。がしかしこの雰囲気たまらないですね… 見た目艶っぽいのにね… なのにここで話すのは政のこと。
直虎「我は果報者じゃ。あの者たちのように思うがままには生きられぬが井伊のためにその身を捧げてくれるものに囲まれておる。もっと心せねばならぬの」政次「 驚きにございます。今までおわかりでなかったとは」
直虎「そこでじゃ、政次。ひとつ、桔梗の縁談を取り持ってはくれぬか。そなたの今川への忠勤ぶりとも見せかけられようし、こちらから動くことで嫁ぎ先の舵を握ることもできよう。」
7回の検地では、政次のところへ直親の味方をしてやってくれ、と頭を下げにやってきた次郎に対し、政次は
次郎様は、俺の立場では物を考えぬお人であるらしいが、俺はあいつのせいで二度も好機を失っておるのだ
と不満をもらしていました。それなのに、今回、政次の目付けとしての立場を慮っての台詞があり、ここでも成長を感じることができます…
直虎の考え、姿勢に対して政次が一目置くくらいにまでになり、ふたりの共犯共闘関係が鮮明になっていきますね。ふたりで目を合わせて笑い合い、密談をしているところへ方久がやってきた時の背徳感はゾクゾクくるものがありました。
しかし… 怖い。この後に来る隣国との関係からのどうしようもなく逃げようのない流れ。このふたりの関係が成熟していけばいくほど(恋愛の方向ではないにしても)固く結ばれれば結ばれるほど、史実をみるにその関係が断ち切られる瞬間が恐ろしく、半身を引き裂かれるような思いをドラマの中の人物だけではなく、観ているこちらも味わうことになるのか…
それだけ、このドラマの中の人物が物語の中で ”生きている” ということで、言うなれば、演じる方たちがその人物をまさに ”生きている” んでしょう。演技というレベルではなくなっていっているように見えるのは買いかぶり過ぎかしら。
さて来週の予告編。
爆弾落として行きましたねぇ。なつが背後から政次を抱きしめるような場面がありました。彼女がどういう言葉を話しているのか。単なるブラフなのか。男女の仲になるのか。龍雲丸が政次の感情を引き出し、今度はなつがその感情の持って行き場を指南するのか。いずれにせよ、次回は「冷たかろう」の回でもありますし、またまた日曜8時までドキドキしながら待つことにします。
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