「ムーンライト」エンドロールが終わった後に
過去記事の引っ越しです。
実はずっとやりたかったこと。レディースディに3本の映画を観る!しかしやはり無理でした。今日は二本観たうちの一本について。[ネタバレなし]
アカデミー作品賞を獲った「ムーンライト」。
監督:バリー・ジェンキンス
出演:トレバンテ・ローズ アンドレ・ホランド ジャネール・モネイ
アシュトン・サンダース ジャハール・ジェローム
アレックス・ヒバート マハーシャラ・アリ
★★★★☆(4.4)
あらすじ
マイアミの貧困地域で、麻薬を常習している母親ポーラ(ナオミ・ハリス)と暮らす少年シャロン(アレックス・R・ヒバート)。学校ではチビと呼ばれていじめられ、母親からは育児放棄されている彼は、何かと面倒を見てくれる麻薬ディーラーのホアン(マハーシャラ・アリ)とその妻、唯一の友人のケビンだけが心の支えだった。そんな中、シャロンは同性のケビンを好きになる。そのことを誰にも言わなかったが……。(シネマトゥディより)
とても得難い2時間でした。アカデミー賞を獲ったということ以外、知識を一切入れずに観たことがとても良かった…
まっさらな状態で観ることをオススメします♪
見どころはたくさんあって、ネタバレなしに書くのはなかなか難しいんですが、書いてみます。
色
これについてはどの映画評を読んでも書いてあることなので今更なんですが、色に対するこだわりがすごいと思いました。タイトルでもある月。月明かり。車の色。肌の色。
肌の色をここまで美しく魅せられるのか!?と何度も感動しました。
孤独そして思い
主人公の境遇と生まれ持ったもの。口数が少なく周りとうまく繋がれない彼にとって子供のときからの大事な存在への思い。
ドラッグとか、いじめとか黒人社会だとかそういう言葉のイメージから予想される画面のつくりじゃないんです。ひたすら静か。
夜。海辺。月。印象的なシーンが甘酸っぱく切なく。
エンドロールが終わった後に
子供、高校生、大人。三人の俳優それぞれが主人公を演じ、年齢と共に変化していくこと、していかないことを丁寧に掬い取って描かれていくのをじっと見守っていくうちにラストを迎えます。
そしてエンドロール。映画館の電気がぱちぱちと点いた時、ようやくじわじわと最後の場面が胸に迫っていることに気がつきました。なんて素晴らしい時間だったんだろう。なんて優しい気持ちをくれたんだろう。
気づいたら暖かい気持ちが湧いてきて泣いてました。
映画で勇気をもらえたり、「人生は悪くない」って思えたり、そんな気持ちになりたいから私は映画を観たいんだなぁとつくづく思いました。
観終わって映画館から出てきた私は、2時間前とはどこかが違っている感覚。そんな感覚を持てる映画はとても特別。もちろん個人的な好き嫌いもあるとは思いますが、観て損はない、と思います。
観終わった後にポスターの写真をまじまじと見てみたら…ああそういうことなのか!!!と。
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お越し下さりありがとうございました。
あじさい