警察で詐欺の被害届を出す
実家の父が還付金詐欺に遭ったことについての話を続けます。「自分は大丈夫」と思いがちな
親に対して、実際こういう事があるんだ、と他山の石にし、対策して頂ければ幸いです。
[親]父が還付金詐欺に遭った…
詐欺の被害届
コンビニATMから帰ってきて、父が私に電話を掛けてきた時には、まだ半信半疑といった感じでした。「おかしいな」と思いつつ、自分が騙されたなんて思いたくない気持ちが相半ばしていたのでしょう。
市役所を騙る男から伝えられた銀行のコールセンターの電話番号を聞き出し、それが本当なのかどうか、実際私が窓口に確かめたところ、まったく違う番号だという事が判明。警察に被害を届けたほうがいいです、と言われました。
電話番号が全く銀行のものではない事を父に伝えると、かなりがっくりきたようでしたが、すぐさま警察に電話、署員が家まで出向いくれて話をしたそうです。
「被害届」を出すか出さないか、被害者次第だそうで、いわゆる親告罪。出さないとしても、この件は警察の記録には残るそうです。父は悔しいから「被害届」を出す、と言っていました。
警察へ
私は次の日に実家へ帰りました。一人で行くよりも、私が付いて行った方がいいだろうと思い、その翌日になんとか時間をとってもらうことに。
初めて警察署の内部に入りました。取調室と書いてある小さい部屋に通されました。壁には小さい窓のようなものがついていて、たぶん隣の部屋からこちらを覗けるようになっているのでしょう。
建物も古いし、まるで昭和の刑事ドラマのようでした…
父はATM操作中のことを覚えていない
父が犯人と電話のやり取りをしながらATMの操作をしているときのことをいろいろ聞かれていましたが、ほとんど覚えてないんだそうです。
どうしてそんなに簡単に騙されたのか。市役所を名乗っていたのでそれをそのまま信じ込んでいて、まったく疑いが起きなかったんだそう。
ATMで電話をしながら操作している時も、自分が「振込」をしているという感覚がまったくなかったと。犯人は巧妙に還付金を受け取れると信じ込ませ、数字を打ち込むときも、キリのいい数字ではなく、例えば「3517941」のように、金額ではない、何かの数字を打っているように思いこませていました。でも、それは振込額そのものなんです。
実際ATMで振込などの操作をしたことがない父は訳がわからないうちに操作を終えていたのでしょう。それも二つの銀行口座から振り込んでいたんです…
なぜ二つの銀行口座を操作することになったのか、まったく覚えていないそうで… 犯人の口の巧さゆえなのか、恐ろしいです。
被害届作成
被害届というのは、
何らかの犯罪によって被害を受けたことを捜査機関に知らせる書類のこと
で、「被害の概要」と「詳しい状況説明」の二つの書類を提出します。警察署員がパソコンで父の詐欺について説明する文章を作ってくれていました。主語は父です。それを読み上げながら確認する形で事件の後追いをしました。
証拠として、父の携帯電話の履歴、振り込んだ後にATMから出てきた振込票などが写真に撮られていて、履歴を見ながら、どの時点で犯人に電話をしてどれくらい話をしていたのかを推測しながら(父が覚えていないので)父がその日どういう行動をしたのかを説明する文章でした。
最後まで読み上げたあと、署員がプリントアウトし、その紙を見ながら再度内容確認。父が署名捺印をし、完成しました。
署に入ってから1時間とちょっと。緊張もしたし、父が実際詐欺に遭ったときの詳細を突きつけられて、かなり疲れました。
被害届を出すと…
https://www.fsa.go.jp/policy/kyuusai/furikome/index.html
金融庁のHPにも書いてありますが、被害に遭った場合、その銀行口座にもし残金があった時に限り、被害者でその残金を分けて戻してもらうことができるそうです。(でもきっと口座が特定される前に全額引き出しているでしょうね)
しかしそれには被害届を出していることが条件のよう。そういうこともあって、被害に遭った時はやはり面倒でも警察に被害届を出した方がよさそうです。
他にも被害が…
署員の方から聞きましたが、父以外にも被害が複数件報告されているとのこと。同じような還付金詐欺もあるし、受け取りに来た犯人に通帳を渡してしまった、という事例もあったそうです。
通帳に関しては、「ゆうちょ銀行」だとカードがなくても通帳があれば引き出し可能なんですよね。
父は、自分だけが詐欺に遭ったわけではないと聞いて、少しだけホッとしたような表情をしました。自分に対して自信があるひとなので、こうやって騙されたこと、娘たちに迷惑をかけてしまったこと、とてもとても落ち込んでいます。
騙されたのが自分だけじゃないと聞き、それで何も状況が変わるわけではないけれど、事件以後、狭かった視野がちょっと広くなったように思えて、やはり被害届を出して警察の署員のひとと話をして事件を振り返ることができて良かった、と思いました。
まだ続きます。
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あじさい