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父はなぜ詐欺に遭ってしまったか

今日はなぜ父を含め、高齢者が狙われ、そして詐欺に遭ってしまうのか、考えてみようと思います。

 

[親]父が還付金詐欺に遭った…

 

[親]詐欺に遭った後の父の様子

本来の性格

上の記事にも書きましたが、父は若いときから、弱みを見せることをせず、自信に満ち溢れていました。思い込みが激しくて、自分がこうだと思ったら簡単には考えを変えない頑固なひと。

 

それが歳を取るとともに、自分が高齢者だと括られることが嫌で、自分は歳を取ってないと思いたいんだなぁと見ていて感じることが多くなりました。

 

最近、よく高齢者の迷惑ぶりをニュースで聞きます。特に男性に多い気がします。社会で活躍していた現役に比べ、引退した後にくる空虚さや、高齢になることで年寄り扱いされたり思い通りにならない世の中への不満が噴出してしまうのか。

 

義父も父も今年80歳になるんですが、自分を高齢者だと思いたくないっていうのがですね、未だにありまして…苦笑

 

自分は絶対大丈夫という自信

だから、詐欺被害のニュースを見ても、NHKの夕方の番組で毎日のように「ストップ!詐欺!」のような声掛けを聞いていても、「自分ごと」になってないんだなぁと思うんです。

 

詐欺被害は、誰かよその人の話。義父も父も自分は絶対大丈夫、と思っています。

 

たぶん、この「絶対」というのがネックなのかもと。

 

「もしかしたら」自分も巻き込まれるかもしれない。

「もしかしたら」犯人に狙われるかもしれない。

「もしかしたら」口車に乗ってしまう可能性があるかもしれない。

 

と思えれば、騙される前に防ぐ瞬間があり得たかもしれない。

 

犯人の巧妙さ

高齢者を狙う犯人の意図は明らかです。

 

思考能力の低下。ATM詐欺について言えば、機械に強くない、実際ATMで操作をしたことがないからどういうものかよくわかっていない。権威(市役所、銀行)への盲信。自分が年寄だと思われたくない虚栄心。

 

そして一人暮らしという住環境も。

 

一緒に住んでいる家族がいれば、すぐおかしいと気づくし、説得もできるけれど、一人暮らしだとそれができない。

 

父が電話で話しながらATMで操作したことを全く覚えていないということを鑑みても、かなり巧妙に話を進めていることが想像できます。

 

マニュアルがあって、話に乗ってくるひとを絶対離さず最後に振込のボタンを押させるまでは、ものすごいテンションというか意志で畳みかけてくるのかなぁと。

 

それから犯人が電話を掛けてくる時間の絶妙さ。最初の電話が掛かってきたのが夕方4時くらいだと言います。そこからATMヘ行き、全て終わったのが5時少し前。

 

あれ?おかしいな、と思って市役所に電話をしても(父も市役所に電話しましたが…)5時を過ぎると時間外で電話には誰も出ない。すぐに確認ができない時間帯なんですよね。

 

そこからおかしいと警察に訴えても、その間に軽々と口座から出金できます。

正常性バイアス」という罠

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%A3%E5%B8%B8%E6%80%A7%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%82%B9

自然災害火事事故事件などといった自分にとって何らかの被害が予想される状況下にあっても、それを正常な日常生活の延長上の出来事として捉えてしまい[2]、都合の悪い情報を無視したり、「自分は大丈夫」「今回は大丈夫」「まだ大丈夫」などと過小評価するなどして、逃げ遅れの原因となる

 

ここで触れられているのは、火災や津波、災害などですが、詐欺に関してもそうなんだと思います。自分にそんな非日常な、事件などが起きるわけがない、と考えてしまう。まさに「都合の悪い情報」は無視してしまう。

 

誰でも自分が騙されるなんてことを予想して生活していないし、自分が高齢者として見做されることに反発もある。とにかく「絶対」という言葉はない、という事は誰でもが肝に銘じておくことだと思いました。

 

実家で父と対策について話していても、「もう大丈夫」「絶対騙されない」と言うんですよね… 傷ついているし、疲弊しているし、悔しいだろうし、娘たちや孫たちにも面目ないだろうし、二度と起こさせないって思っているのはわかるのですが、「絶対」なんてことがない、ということから考え直してもらわないと… と頭が痛いです。

 

明日は対策について考えてみます。

 

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お越し頂きありがとうございました。

あじさい