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バターのようになめらかに~BTSがAMAsで歌った「Butter」は勝ちどきのようだった

こんにちは。

 

BTSがとうとうというか、満を持してというか、2020年に初めて出した英語詞「Dynamite」から1年後、アメリカの主要音楽賞の一つであるAmerican Music Awards(通称、AMAs)にて、日本語で言えば「大賞」にあたるArtist of the year(最優秀アーティスト)を受賞しました。

 

AMAsとは

このAMAsと言うのは、どういうものかとウィキを見てみたら、

この賞は、1971年1972年と連続してABCが放映してきたグラミー賞が、1973年テネシー州ナッシュビルに会場を移すと共に、CBSの放送に切り替わったのを受け、ディック・クラークグラミー賞に対抗して創設した。第1回はロジャー・ミラーヘレン・レディスモーキー・ロビンソンの3名が司会として授賞式を取り仕切った。 グラミー賞では、エンターテインメント産業の業界人に投票によって受賞者が選ばれるが、アメリカ音楽賞では、ファンの投票で受賞者が選ばれる。名目上では、グラミー賞が音楽の水準(質)を、アメリカ音楽賞とビルボード・ミュージック・アワードが音楽の人気(量)を重視するという形で差異化を計ることで、それぞれが権威視聴率獲得を目指し競争してきている。

グラミー賞に対抗して創設されたこと、グラミーと違い、この賞はファンの投票で選ばれること。

 

なるほど!去年から今年にかけてのBTSのファン層の広がり、Twitterのフォロワー数はテイラースウィフトやジャスティンビーバーには敵わないけれど、今や4100万人を超えてます。

Drake, Ariana Grande, Olivia Rodrigo, Taylor Swift, The Weeknd らを押さえての受賞なんですよね。すごい。

賞の意味

歴代の「最優秀アーティスト」受賞者を見てもすごいメンツばかり。受賞そのものについて意味があるのか?ってことも取りざたされることもあるけれど、やっぱり実質的に「賞」を獲ったからこそ行けるステージっていうものがあると思う。

 

Twitterでアミたちの呟きを見ていると、グラミーにしてもそれほど獲ることが必要なのか?という問いも見かけるし、実際グラミー賞自体、いつも賞の基準への疑問も沸き起こっている。

 

去年で言えば、【2020 MTVビデオ・ミュージック・アワード】と【2020 アメリカン・ミュージック・アワード】の両方で、賞を獲得している「ザ・ウイークエンド」はグラミーの主要部門どころかその他の部門にすらノミネートされなかった。

 

グラミーが業界人の考え方で決まる賞であることで、その透明性に疑問がいつも投げかけられるのに比べ、このAMAsはファン投票と言う形を取っている分、そういった雑音を排除できているように見える。

 

さっきも書いたけど、BTSがこういう賞を獲ることで「次」へ歩みを進めていくんだと思う。

 

もちろんグラミー賞にノミネートされるのは自明だと思うけれど(もし去年のザ・ウイークエンドの二の舞になったならばどんな騒ぎになるか考えただけでも恐ろしい)もうあとはグラミーのそれも主要部門を獲るかどうか、くらいの人たちになったんだと昨日見てて思いました。すごいね。

人気爆発

昨日、レッドカーペットのライブ配信Youtubeでありました。ひときわ大きな歓声が上がり、BTSが登場したんだとみんなが分かるっていうその人気度がすごかった。

 

LIZZOが大ファンだと公言してButterをカバーしたり、日本の芸能人もARMYを名乗る人がたくさんいる。

 

ミーガンジースタリオンはButterでコラボするし、ColdplayBTSのために曲を書いて「My Universe」でコラボするし、そこにもちろんビジネス的な事情だって多く含まれるんだろうけれど、引っ張りだこって言う感じ。

 

DJのある男性はジミンの大ファンらしく、それを女性陣にいじられていたのを見かけたし、昨日出演していたアーティストの子どもがBTSの大ファンだと言って後から一緒に写真も撮ったのも見ました。

 

RMの英語力

ここに書くまでもなく、RMの英語力のすごさはBTSがこうやって世界にステージを移して成功した一因だと思う。

 

彼の英語は英語圏で生活したことがない人にはとても聞こえない。生来の語学力の能力も高いことに加えて、彼は「突き詰める」人のように見える。

 

それは努力をしないと、とか頑張らないと、とかそういうマインドじゃなく、気づいたら「やっている」、「突き進んでいる」ような感じ。

 

気になることがあれば寝食を忘れて没頭する人なんだろうと。

 

昨日のRMのスピーチの一部。

 "It took four years to be on this stage to get this trophy. Thank you so much. Actually it means to us even more because we’re actually a small boy band from Korea. We just got united by the love for our music, and all we want to do is just spread love, the good vibes and energy through music and performance. But without you guys, ARMY, we couldn’t have done anything. Thank you so much.” 「このステージでこのトロフィーを手にするまで4年かかりました。ありがとう。僕らにとってはいっそう意義深いです。なぜなら僕たちは韓国の小さなボーイズバンドなんです。音楽への愛で一つになった僕たちがしたいことは、音楽やパフォーマンスを通じて愛や良い雰囲気、エネルギーを伝え広めることです。でもARMYの皆さんがいなければ何もできなかったでしょう。ありがとうございました。」

この言葉を淀みなく、英語でスピーチしたのを見ました。もちろん何を言うか考えて練習していたんだと思うけれど、瞬発力とウィット溢れる彼の言葉は力があります。

 

最後の最優秀アーティストの発表のあと、RMのスピーチに続き、SUGAが韓国語でスピーチしました。SUGAの言葉は私には理解できないんだけれど、この場で自国の言葉でスピーチした思いは伝わるんだと強く感じます。

 

そういう一つ一つの積み重ねが今の彼らのファンダムを作ったんだろう、となんか涙が出てきてしまいました。

 

バターのように滑らかに

もうここまできて、彼らがまさに「Butter」の歌詞にあるように、

Smooth like butter Like a criminal undercover Gon' pop like trouble Breakin' into your heart like that (Ooh バターのようにスムースに 正体を明かさない悪党みたいに トラブルが起きたかのように弾けて 君の心に忍び込んでいくよ https://yutaka-sukkiri.com/2021/06/01/butter-lyrics/

ここ。これを実現しちゃった!と。

 

いつのまにか世界がBTSに夢中になってる。

 

そして大トリのパフォーマンス、「Butter」の黄色一色で飾られた舞台、彼らの衣装を見て、涙が止まらず…

https://twitter.com/AMAs/status/1462915041615912968?s=20

私、「Butter」がリリースされた直後に思いが溢れてきちゃって記事を書いたんですが、ちょっとここの文章を思い出してしまいました…

彼らが大げさなメッセージはない、と言ってるのでそこまでの想像はし過ぎじゃない?とも自問自答したりもしてますが、やっぱりバターの黄色が世界中のあちこちで、そうとは気が付かせないうちに席巻している未来を思い浮かべながらこの楽曲のプロジェクトがされていたんじゃないか、と思わずにはいられないです。 ここで大事なのは、「気が付かせないうちに」だと思うんです。あからさまなアジアンヘイトへの攻撃じゃなく、「バターのように溶け込む」事。気づかないうちにみんながこの歌を口ずさむ。身体を動かす。 分断されてしまっている世界を彼らが繋げる。自分たちのアイデンティティへのプライドと共に、世界がこれ以上壊れないように、コロナで疲弊しないように、そのひとつのステップとしての音楽の持つ力を信じて… https://yutaka-sukkiri.com/2021/05/24/butter-inside/

 

本当に成し遂げた。いつのまにかバターの黄色が私たちの心やミュージックシーンに忍び込んできて、アメリカの授賞式で黄色を全面にパフォーマンスをして見せた…!!もうこれは彼らの凱旋、彼らの勝ちどきの歌。

 

SUGAの煽るように手首をくるくる回しながらラップするその姿カッコ良すぎでしょ…

 

ナイーブなことを言うのを許してください。私はアジア人としてひどい差別を受けたことはないけれど、ヨーロッパの国で数年暮らした時に感じた自分が「西洋人」ではないことの欠落というかコンプレックスというか、(今だったらもう少しプライドもっていられたのかもしれないけれど)その時々で感じて暮らしていたことも思い出してしまったんです。

 

日本のなかだけで生きてると全く感じないことなんだけれど、世界はアジアンヘイトがあるし、ふつうに肌の色で差別されるし、未だにアジア人へ向かって目を吊り上げる仕草をする人たちが炎上してるじゃないですか。

 

そんな中でBTSが成し遂げたこと、彼らが「目標としていた事が叶った」瞬間じゃなかったんだろうか?と思ったんです。

 

賞そのものももちろんなんだけど、それ以上のもの。

https://twitter.com/hydrangea_11/status/1462733136932921344?s=20

↑最初のパフォーマンスで見せたのは黒い衣装だったんです。その後、日本のMUSIC BLOODやMUSIC DAYでは黄色ベースの衣装だったり、アメリカのThe Tonight Show Starring Jimmy Fallonでは黒と白だったり、ステージをどの国でやるかによって衣装の色を意図的に変えてるんじゃないか???とまで私は邪推してしまったけれど、娘からは一笑に付されました、ふふ。

 

でも、今でもやっぱり黄色を使った衣装は日本だったからなんでは?と思ってます。

 

満を持して昨日…

 

あまりにも、黄色が眩しくてしょうがなかった… 自分のアイデンティティをアジア人としてBTSに全て負わせることはしてないつもりだけど、誇らしくてしょうがなかった。

 

去年の5月にButterをリリースしてから、アメリカの授賞式という舞台で黄色一色を選んだ彼らとスタッフにスタンディングオベーションします。

 

I'm proud of you guys, BTS as an Asian! ありがとう、BTS

 

"Got ARMY right behind us"

昨日のパフォーマンス、上に貼ったんですが、その2:03辺りを見てみください。

 

RMの歌う

"Got ARMY right behind us"

のところで彼の後ろのステージにはARMYのマークが紫色に浮かび、実際ほんとうに彼の後ろにはARMYたちがいました。

 

コロナでオフラインで会うことができなかった2年間。

 

Vが、自分が愛されているのかどうかわからなくなっている、と告白したのを見て、フェイストゥフェイスで、目の前で自分たちを応援してくれる人がいる、と実感することがいかに彼にとって大事なことなのか、それは私たちが長いトンネルの中、友人と会うこともやめ、芝居やライブも諦めていた暗い日々が自分だけじゃないんだと知ったし、その苦しさからようやく解放されつつある今、BTSが直にARMYの姿を見ることができ、音楽で繋がることができる、その瞬間、その場面を見ることができて、バカでかい感情が湧きあがってきてしまいました。

 

良かった、ほんと良かった。

 

最後に

さて、今は、11月23日の火曜日のお昼です。

 

今日の夜中、正確には24日の午前2時ころからグラミー賞のノミネーション発表があります。

 

あと12時間ちょっと。去年は主要部門じゃなかったけれど、今年はきっと。

 

グラミー賞、SUGAが狙う、と言ってるので応援します。

https://www.oricon.co.jp/news/2194177/full/

What Yoongi wants, Yoongi gets.

https://twitter.com/RecordingAcad/status/1462968533818777602?s=20

そしてなんと!ノミネーションのプレゼンターをすると?!?!?

 

今日は早寝をして2時起きです。

 

かなり長い文章になりました。お読み頂きありがとうございます。

それでは。

あじさい