「まともじゃないのは君も一緒」<ネタバレ感想>普通なんて面白くないって思わせてくれる
成田凌出演映画。
Twitterでちょくちょく感想が流れてきていて、行く前から、あ、これは面白いんだろうなって思いました。
成田凌が出演しているのは出来るだけ観たい。
こないだ、アカデミー賞の授賞式で久しぶりにライブで彼を観たんだけど、髭があって長髪で、ふれなばの龍を思いだしてしまってちょっとやばかったです…
成田凌が「数学一筋〈コミュニケーション能力ゼロ〉の予備校講師」をやるっていうだけで嬉しい。いろんな役を観たいと思ってるから。ここにも感想を書いた「窮鼠はチーズの夢を見る」の今ヶ瀬も「愛がなんだ」のマモルもその振り幅で観てる者をがんがん揺さぶってくる。
「ふれなばおちん」以来、成田凌がどんな役をやっていくかを観てる。そのうちアカデミー賞で賞を獲る気がする。ドラマの主演もそろそろ来そうな気がする。
さて。
大野(成田凌)「外見はいいが」と前置きが付くくらい見た目はカッコいい。でも、着るものでここまで印象って変わるんだっていうことを今更ながら突きつけられたなぁ。
そこらへんのスーパーで買ったというイケてない感じの洋服と、キッチリ高そうなスーツのこの段ちがいな変化を見てるだけでも楽しかった。
メンズノンノのモデル出身なだけに、高身長、顔の小ささ、そして脚と手の長さがすごい。
大野が予備校で教えている高校生、秋本香住(清原果耶)とのちぐはぐな会話劇。それがこの映画のみどころだと思う。それが観たくて観に行ったっていう部分もある。
そのテンポの良さ、秋本香住のツッコミ、大野の切り返し、何回も何回も口を押えて笑ってしまった。
そして、そこに関わってくる人物たちがこれまた皆良いんですよ!!!
香住と同じ高校のカップル。君島彩夏(山谷花純)と柳雄介(倉悠貴)。倉悠貴は、最近朝ドラ「おちょやん」で主人公の弟役で出てました。
この2人がどうやって恋に落ちたか、或いは好きだと気づいたか、香住がつっこみながら質問を浴びせていくんだけど、その時のふたりの答えがとっても良かった。
このふたりの俳優さんたちの眼がいいなぁ。魅力的。
それから、香住が憧れる胡散臭い実業家、宮本功(小泉孝太郎)。小泉孝太郎って私の中では「名もなき毒」「ペテロの葬列」での「いいひと枠」で固定されてるんだけど、この実業家。腹黒いんだかなんだかわかんないけどなんかおバカで、憎めないけど善人じゃないひとの役がいちばん合うんじゃないかって思いました。
その宮本の婚約者・戸川美奈子(泉里香)がね、ものすごおおおおおおおおく良かったんですよ!!!!
彼女の佇まいとか視線とか、すごく上手いし、彼女の存在でこの映画に立体感を与えたと思いました。
ぶつかり合っていて、好意なんてお互いもってなかった2人がだんだん距離を縮めていくっていう王道なお話がとても好きなんだけど、大野と香住ふたりだけのやり取りだけじゃなく、宮本や戸川美奈子がかなり深く物語に絡み、影響を与えていくのをじっくり丁寧に描いてました。
物語として、大野と香住の関係の締め方、ほんと素晴らしかったんだけど、そこに戸川美奈子の選択というか、彼女の生き方というか、これからどうやっていくんだろうなってそこにも余韻があって、コロナで疲れている私の清涼剤になってくれたように思います。
「普通」という言葉と世にはびこる「普通」に囚われている人たちに真っ向から疑問を投げかけた映画。
「普通」にならないと結婚できないからと始めた2人の計画が、その2人の考えや感情だけじゃなく、巻き込まれた美奈子にも波及するそのさざ波のようなものが見れてよかったなぁ。
最後に向かう辺りで大野から出た叫びのようなもの。あれ、聞いてたら涙出てきました。
俳優のファンも、くすくす笑いたい人も、コロナに疲れた人も、是非どうぞ!おすすめです。
https://yutaka-sukkiri.com/2020/09/23/kyuso-ari/
https://yutaka-sukkiri.com/2020/12/31/aigananda/
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成田凌出演映画の感想です。
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あじさい