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「イカゲーム」なぜ一気見してしまったか<ネタバレあり>

おはようございます、あじさいです。

世界を席巻している「イカゲーム」。

一気に観てしまいました。

 

ネタバレ含みます。ご注意を。

 

最初は単なるデスゲームなんでしょ… と突き放した感じで観始めたんですが…

これ、メインがデスゲームじゃないんです。

 

人はバタバタと死んでいくんですが(それもグロい)切なくて泣いてしまう箇所がたくさんあり、このゲームに参加する人たちの生きてきた過去と現在を炙り出し、その優しさや醜さをこれでもか、と見せつけてきます。

 

父親不在

参加者には北朝鮮からの脱北者も含まれていて、韓国ならではの社会情勢も織り込まれてはいるものの、借金まみれで離婚した主人公やエリートだけど道を外れてしまった秀才、ヤクザもの、訳アリな女性、脳腫瘍で後先短い老人、外国人労働者など、どこの国でもいそうな人たちが一攫千金を狙う。

 

この人たちの家族やこれまでの過去を見ると、徹底的な父親不在、そして父は暴力の象徴なんです。

 

主人公(ソンギフン)とその幼馴染のエリート(チョサンウ)は母親との2人暮らし。韓国は儒教の国で、両親への尊敬や愛情の描写にはいつもびっくりするんですが、母親との関係が色濃くこのドラマの横軸を流れてます。

 

脱北者の女性は、逃げる際に父親は撃たれ死に、母親は捕まり弟を一人施設に預けてます。北に居る母親を取り戻すにはブローカーに多額の金銭を払わないといけない。

 

もう一人の若い女性は、子供の頃に父親の暴力で母が死に、自分は父親を殺して服役していたことが明かされます。

 

徹底した父親不在。

 

これは制作側が感じている社会への訴えなのかもしれない。

 

おおおおっと唸った箇所

参加者がイカゲームが行われる場所に連れてこられるまで、これが命をかけたゲームであることは知らされてません。

 

いきなり脱落者が殺されるという事実に、参加者の不満が高まると、参加者の過半数がゲームをやめたいと訴えればゲーム自体を中止することができるということが明かされます。

 

ぎりぎりで中止が決まり、皆がいったん普段の生活に戻るんです。

 

ここ、このドラマの説得性を持たせる上ですごく上手いなぁと思いました。

 

死と、大金を得る事を天秤にかけたとき、死にたくない、日常に戻ろうという選択をするのが全くもって自然で、命より重いものはない、と日常に戻りますが…

 

しかし結局立ち行かない。もう金か死か、のギリギリな瀬戸際に立たされた者のみがデスゲームに戻っていくっていう流れが、お話し自体を荒唐無稽なものにしない作りだと唸りました。

 

そしてもう一つ。

 

ゲームが始まるまでどんなものなのか明かされないことで生まれる緊張感がハンパなかった。

 

ゲームをしていくなか、参加者同士で仲良くなり力を合わせれば勝てると考えるように。2人のペアになってください、と言われ、強そうな相手を選ぶ。

 

なのに、2人で競い合い、負けた方が死ぬと知らされる。その時の絶望感と言ったら!!!

 

参りました。

 

弱いもの

女性、老人。

 

力の弱いものとして徹底的に描かれます。

 

実際、力が必要な時には足手まといなんですよね… 悲

 

でも、それだけでは終わらないのがこのドラマ。

 

工夫をして綱引きに臨んだり、頭を使ったり、果てには復讐という形で…

 

老人に関しても最後のどんでん返しがあるし。

 

余談ですが、私、このラストの黒幕に関して、ドラマの半ばで感じたんですよね。あ、もしかして…?って。

最後に

人の限界時に生まれる感情。行動。

 

残忍さや憐憫、親しみ、ずる賢さ、とにかく「人間」を描いてました。それを観たくて一気見しました。

 

最後に私が読んだ記事で面白かったものを紹介します。

なるほど!という視点で書かれていてとっても興味深いです。

https://signal.diamond.jp/articles/-/895

 

https://realsound.jp/movie/2021/09/post-868242.html

 

それでは。

あじさい