日本でBTSが人気のある理由のひとつが分かった気がした
昨日の夜、Twitterで話題になっていることがありました。
エンタメが死んでいかないように自分が出来ることは、ひたすら音楽を作っていくことしかないな。
— enon kawatani (@indigolaEnd) July 7, 2021
川谷絵音氏。「ゲスの極み乙女。」など複数のバンドをプロデュースしてる方です。このツイートかなり反響が大きいよう。
有名な体操選手も、壮行会で、「選手が何を言おうが世界は変わらない」と発言したとか。
それぞれ出来ることは違うしいろんな考えがあるのだろうけれど、自分はそうは思わない。
ひたすら作るのは選んだ道であれば当たり前で大前提。作家以前に人(隣人)として小さなことでも何が出来るかを考えていたいと思った。 https://t.co/rKMqBPnWjW — yoshitomo nara, the washing hands man (@michinara3) July 7, 2021
私はこの奈良氏の考えに賛成します。
去年から続くコロナによる絶望感というのは誰もが感じていることで、私も時々、ひたすら何もやりたくない無力感に苛まれることがあります。
諦める方が精神的に楽だったりします。だって相手はウイルスだからどうしようもないよね…と。それに加えて私たちが選んでいる政治のおそまつさ。芸能や飲食店には我慢を強いているのにオリンピックだけは強行するという矛盾。(私はオリンピック開催についてはまた別の考えを持ってますが)
私も最近、ライブに行くのを二回諦めて、知らず知らず何もかもへの諦念が起きてくるんだけれど、それでも、「何もできない」とは思わない。
自分が病気にならない為に出来ることはやっていくし、Twitterでも言いたいことは言っていきたい。私も含め、市井の人々は諦めつつ、それでも上を向いていこうと思いながら日々暮らしているんだと思う。
有名な人、何かを作り出しそれでもって誰かを元気にすることができる人、そういう人が、自ら「できることはない」と言い切ってしまうことが本当に残念でなりません。
別に、政府への不満や批判をしろと言ってるわけじゃない。出来ることはそうはないかもしれないけれど一緒に見つけていきましょう、とせめて言ってほしかった。
「選手が何を言おうが世界は変わらない」「投票したって政治は変わらない」…こういう、自分が何もしないこと・現状を受け入れることを正当化するために他者を無力化する言葉は狡いなと思う。
— Sophie U.🌿 (@SophieUchida) July 7, 2021
そう。こういう言葉は「他者を無力化」するんだ。自分ひとりが投票に行ったって社会は変わらない、と選挙に行かないひとがどれだけ多いんだろう。
今のこの国の社会はこのような「他者を無力化」する言葉で溢れている。選択的夫婦別姓だっていつまでたっても進まない。LGBTQの法案に関してもそう。
「男女平等」という誰もが当たり前だと思うような考え方にですら批判が飛んでくる社会。コロナだけでもいっぱいいっぱいなのに、何にも変わらない社会に生き続けなきゃいけない。
もうね、苦しくて悲しすぎます。
そんな考え方を誰かに吹き飛ばしてほしい。息苦しい毎日をどうにかしたい。そんな2020ー2021に、英語詞を携えてやってきたBTS。
Dynamiteという歌で「あれ??」と目に留まり、追っていくうちに彼らの考え、スタンス、メッセージに触れてファンになっていく人が多いんじゃないか?
日本の芸能人やスポーツ選手が政治的発言を避ける傾向がある中、自分たちの信じる事をきちんと言葉で示す彼らに惹かれてしまうのはある意味自然なことかと思います。
国連総会に呼ばれ、スピーチをしたり、
“自分を愛そう、自分を語ろう。”これまで以上に、僕たちは自分自身を見失わないよう、自分と向き合うよう努めなければならない。自分自身を愛し、未来を想像しようと努めなければならない。BTSはそばにいる。僕たちの明日は暗く、つらく、困難で、僕たちはつまずいたり倒れたりするかもしれない。でも、夜が最も暗いときこそ星は明るく輝く。そして星が隠れているのなら、月の光に導いてもらおう。その月までもが暗いのならば、自分たちの顔を目印の光にして行く先を知ろう。僕たちの世界を再考しよう。僕たちは疲れて一緒に身を寄せ合っているけれど、また夢を見よう」と締め括り、メンバーたちは、「人生は続く。一緒に生きていこう」と語りかけている。 https://www.billboard-japan.com/d_news/detail/92523/2
ここで、「Love yourself」(自分を愛そう)「Speak yourself」(自分を語ろう)という自分たちが作ったアルバムのタイトルメッセージに言及しています。
そして、アジア人ヘイトクライムへTwitterで反対声明のツイートをしたり。
#StopAsianHate#StopAAPIHate pic.twitter.com/mOmttkOpOt
— 방탄소년단 (@BTS_twt) March 30, 2021
愛する人を亡くした方たちに、心からお悔やみ申し上げます。私たちは、悲しみと怒りを感じています。 私たちも、アジア人として差別に直面した時のことを思い出します。私たちは、理由もなく罵られること、そして見た目で嘲笑されることに、耐えてきました。なぜアジア人が英語を話しているかとさえ聞かれたこともあります。 そのような理由で、ヘイトや暴力の標的にされることに対する痛みは、言葉にすることもできません。ここ数週間で起こったことと比べれば、私たちの経験は取るに足らないものです。しかしこれらの経験は、私たちが無力であると感じ、その自尊心を削ぎ落とすには、十分すぎるものでした。 いま起きていることは、私たちのアジア人というアイデンティティーから引き離すことはできません。このことについて、どのように私たちのメッセージを声にするべきか、多くの時間をかけ、慎重に話し合い、深く考えました。 しかし、私たちが伝えなければいけないことは明確です。 私たちは人種差別に反対します。 私たちは暴力を非難します。 あなたと私、そして私たち皆は尊重される権利を持っています。共に立ち向かいましょう。 https://www.buzzfeed.com/jp/sumirekotomita/bts-stopasianhate
このメッセージに共通なのは、「一緒に」「共に」生きていこう、立ち向かおう、という訴えです。
私たちはとても孤独です。コロナで更に孤独になっています。私は、歌や踊りなどのパフォーマンスに惹かれ、その後に知った彼らのさまざまな言説により、元気が欲しい、励まされたいという内なる気持ちに応えてくれるBTSを更に好きになりました。
もしかして、コロナがなければここまで惹きつけられることはなかったのかも?と思ったりもします。
Youtube閲覧数の割合は日本が一番高いらしいです。
そしてK-Pop Radarが分析したBTSのYouTube閲覧数によると、BTSはここ7日間で約4億6800万回の再生数が発生したそうだ。このうち日本が13.5%で最も高い割合を占め、次いでインドが10%、インドネシアが7.8%、韓国が6.7%、アメリカが6.4%となっている。 https://sportsseoulweb.jp/star_topic/id=29133
なぜ日本で人気があるのか。
この社会の状況と関係があるように思えてしまいます。ここまでクリアに、政治的社会的なスタンスを押し出し、アジア人ヘイトには迅速に自らの経験も含めて反対をする。こういう人たちが欲しかった。こういうグループを応援して少しでも倦む日々に楽しみをみつけたい。
磯野貴理子氏が、自身の番組で、BTSのジミンに傾倒していることを語り、彼は「初恋の人」みたいだと言っていた動画を見ました。よくわかる…と思いました。前にも書いたけれど、小泉今日子はかなりのBTS強火担です。それからタレントのYOUも。
明日、新曲の発表日。またファンになる方がどんどん増えていくんじゃないかなぁと思っています。
https://yutaka-sukkiri.com/2021/05/21/kyonkyon-bts/
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お越し頂きありがとうございました。
あじさい