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「むしろ、考える家事」家事への意識を180度変えよう

読みたい!と書いていた本を読みました。

電子書籍になっていれば、読みたい欲を一瞬で満たせるっていうの、なかなかすごいことです。

私は最近、DMMで買えるものであれば全部DMMで。ポイントが貯まるし、次の買い物ですぐ使えるし、Kindleに比べてお得感が素晴らしい。

さて。

著者の山崎ナオコーラ氏は作家。夫は書店員。子供は一人から二人へ。レタスクラブでの連載を書籍化したものです。

全般的に共感しました。

ただ、工夫や電化製品によって一時間かかることを三十分に短縮したり、三十分かかることを十五分に短縮したりが可能になっても、決してゼロ秒にはならなかった。すると、家事をやっていない人に対して「ずるいな」という感情が湧いてきた。

そうなんですよ。時短のためにいろいろ工夫をして短縮することはできても、ゼロになるわけじゃない。家事を呪ってもしょうがない。

山崎氏は作家で、家で仕事をしています。それによって収入を得ていて、家の家賃だって自分が払っている。それでも、家にいて仕事をし、家事をやっていると感じる焦りというのがかなりリアルなんです。

仕事をしている人は外の世界で刺激を受けて一分ごとに成長しているし、子どもたちは遊ぶだけでもどんどん成長していく。みんな移動をしている。何かの能力が上がり続けている。そんな中で、家事をする自分は停滞しているように思える。家事はルーティンが多いため、どうも日々ぐるぐるしているだけで、同じ場所にいる気がしてしまう。能力が上がっていないように感じられてしまう。

ここ、なんですよ。家事は毎日同じ事の繰り返しで、ぐるぐるしているだけ。外に出て行かず、家にいるだけの自分の停滞感。周りがどうしても緑の芝生のように見えてしまう。

だから、山崎氏は、この「家事」自体の概念を180度ひっくり返そうとするんです。

だから、時短だけではない工夫をしたい。家事をしながら何かを発見したり、考えごとで頭の体操をしたりして、「家事をすることで、人間として成長しました」「家事をしているうちに、違う場所に行きました」「家事によって、ある能力が上がりました」と言いたいわけだ。

「成長」というのがどういうことを指すのか、についてはそれほど明確ではないのですが、確かに日々自分も停滞せずに変わっていきたい、というのは確かにありますよね。

そして、家事の時間をゼロにできずにやらなければならないものであるならば、それをどうにかして自分を変えていける「大事な時間」として捉えたい、というのはよくわかります。

「家事」がどうしても誰でもできる事と見做され、賃金が発生しないから「仕事」として認められず、誰もやりたがらないことになってしまっている今の考え方を根本から見直してみよう!という考え方は、私も思っていることで、山崎氏がどうやってそれを実践しているかとても興味深く読みました。

彼女は小さいお子さんが2人いるので、それだけでもかなり自分の時間はないと思います。その中で自分の仕事もしつつ、こうやって新しい考え方によって、自分と、そして同じように悩んでいる方々への応援としての本でした。

ものごとの概念というのは、自分が見方を変えれば良くて、そこに満足が見いだせれば問題はミクロ的には解決します。

でも、こうやってレタスクラブという雑誌に連載され、本として著すことで、マクロへの働きかけというか、より多くの悩める人たちへ、社会へと投げかける姿勢は素晴らしいなぁと思いました。

これまでの人間は、家事に革命を起こして家事から解放されようとしてきた。だが、これからの人間は、家事で革命を起こして経済の概念を変える。「家事をやっているなんて、すごいね」という社会にしてしまえ。金を生み出さなくとも、胸を張る。

外で、お金を得ることだけが「仕事」じゃないっていうこと、生きてく上でどうしてもやらなければいけなくてゼロにならない「家事」を自分なりに考える契機になる本かと思います。

私はこれからも「家事時短」もしたいし、「家事」を考えていくことも積極的にやっていきたい。

お金を生み出すこと=偉い、すごい じゃなく、誰かが、或いは自分が家事をしているからこそお金を生み出すような労働ができているのだ、と認識し直す。

家事がなされなければ賃金も発生しないんです。よね。だって、生きていくなかで必要なことだから。

https://yutaka-sukkiri.com/2021/03/15/giveup-danshari/

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お越し頂きありがとうございました。

あじさい