置かれた場所で咲けなくてもいい
大坂なおみ選手の全仏棄権の件。なんだか自分の過去を思い出してしまいました。
— NaomiOsaka大坂なおみ (@naomiosaka) May 31, 2021
https://www.chunichi.co.jp/article/264399
翻訳文はここで読めます。
2018年の全米オープン以降うつを患っていたと告白した大坂選手。勝つことを目指し頑張ってきて、それを成し遂げると嬉しさと共に多くの眼が自分に集まる。精神のバランスを崩してしまいがちになるだろうことは容易に想像できる。
彼女がここで自分の気持ちに嘘をつくことなく、自分が我慢さえすればいい、という選択をしなかったこと、本当に尊敬します。自分を守ることを第一に考えるというのは簡単なようでいて、実はすごく難しいんですよね。
私が自分のことを思い出したというのは、教師をやっていた時のこと。
やらなければいけない事が多すぎて、それを抱え込み、誰にも相談できないうちにクラス運営もおかしくなっていきました。教室は密室ですから、自分が黙っていると誰にも伝わらず、自分が失敗したことを言えずにいると、事態はどんどん悪化していきます。
仕事の多さと生徒との関係で眠れなくなり、精神的におかしくなっていきました。結局心療内科に行きましたが、仕事をやめるしかない、と医師に言われ、そんなわけにいかない、と「置かれた場所で咲きなさい」などの自己啓発本ばかりを買い、ふらふらになりながら学校に行ってました。
夏休みを挟んでかなり元気になりましたが、クラス運営や授業が上手くいくことはなく、クラスはどんどん荒んでいってました。いわゆる学級崩壊です。
それでもちゃんと上司に相談できず、失敗した自分を認めることが恥ずかしく、結局、年度末に辞めました。
夫がいるから、収入があるから辞めたけれども、自分が稼がないとだめな状況であったらどうやっても続けていく方法を考えていたんでしょう。
眠れなくて精神的におかしくなると、運転していてもこのまま事故っちゃいたいな、と思ったりしました。そうしたら学校に行かずに済むのにって。ゾッとしますが、そういう考えになっちゃってました。
私がしなきゃいけなかったことは、上司に全部打ち明けてどうすれば改善できるのかをその時に考えることだったんですが… プライドばかりが先に立って人に弱みを見せられなくて。
置かれた場所で咲くしかないって思い続けてましたが、やっぱりそうじゃない。
大坂なおみ選手が試合後の会見を拒否し、これまで苦しんできた事を告白し棄権に至った件の世界の反応を見ていると、ルールを守る事に強く固執する日本の特殊性が際立ちます。何かこの世には不動のルールがあり、人間はその与えられた範囲でしか行動してはならないと考えているような意見が多い。
— maromiso (@maromiso1) June 1, 2021
このツイートに共感しました。私も、決められた学校内でのことに違和感を感じながらもそれに意見することもせず、ただただルールを守る事に固執してたなぁと思うんです。
大坂選手は、自分をまげて記者会見を受けることで全仏に出場する選択をせず、考えを貫くことを選んだ。その勇気というか意志の強さ、これは全世界、特に日本に住んでいると学ぶべきことが多いなぁと感じます。
誰かに迷惑をかける?甘え?いえいえ、誰の迷惑も誰の事も優先しなくていい。まずは自分を最優先に。
精神に異常をきたしながらも仕事を続けた私の苦い経験、読んでくださる方に「他山の石以(もっ)て玉を攻(おさ)むべし」にして頂けたらと思います。
https://yutaka-sukkiri.com/2020/06/12/self-importance/
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あじさい