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私の30年もののガス台

私のガス台は、30年ものです。五徳も魚焼きグリルも新しいものに替えたことはなくて当時のままです。義母から受け継いだんですが、受け継いだときは、結構汚れがあってそれをごしごしきれいにしました。

 

全部をきれいにはできなかったんだけれど、受け継いで自分ひとりで使い始めてからもう14年経って、こないだ白いガス台に飛び散った汚れを拭いていたら、急に思いました。

 

ああ、私のガス台なんだなぁって。

 

当たり前なんですけれど。

 

以前は、ガス台に銀色のパネルみたいなものを敷いていたんです。周期的に取り替えれば下の部分はきれいに保たれるので。

 

でも、なんだか不必要なものを削ぎたくて、やめたんですが、やっぱりすぐ汚れてしまう。よく笑い話として、台所をきれいに保つには使わないのがいちばんっていう、そういう本末転倒的なこと囁かれたりするけど、確かに真実だったりもする。

 

いや、もちろん料理します。揚げ物やお肉を焼いてがんがん油を飛び跳ねさせます。

 

で、料理研究家の渡辺有子さんのことが本に書いてあったのが心にずっと残ってます。

 

同じ1枚で、ガス台の奥のステンレスの壁や、換気扇の掃除までするそうだ。 「私にとっては、まとめて大掃除するほうが面倒。だから、”常ぶき”しているんです。」 聞けば、毎晩ガス台の五徳と受け皿も取りはずして、さっと洗っているのだという。 「そんなにめずらしいことかしら?使ったら洗ってふく。私にとっては、食べたあとの食器を洗うのと同じ感覚なんですよね」   「ずらり料理上手の台所」 より

毎日五徳を洗うまではしていないけれど、以前よりまめに拭いたり、一週間に一回曜日を決めて五徳を洗ったりしていたら、"自分のもの"という感覚をとても鮮明に感じるようになりました。

 

手をかけるってこういうことかなって思います。

 

かわいいな、と思ったりもします。ガス台。

 

取れない汚れも落ちない焦げもそれがこれまで過ごしてきた日々であるということ。そんな日々の積み重ねを感じて愛着が生まれるのかな。できるだけ長く使えるよう大事にしていきたいなと思います。

https://yutaka-sukkiri.com/2021/01/11/kitchen-history/

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あじさい