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「俺の家の話」4話でエグさ全開

4話、こうきたか…!!!て感じです。クドカンすごいな。

http://www.tbs.co.jp/oreie_tbs/

寿三郎(西田敏行)が書いたエンディングノートにある「寿限無の落とし前」。

 

なんのこっちゃって思ってたら、すごい、ものすごいエグイ話だった…

 

自分が妊娠させた女性を弟子に押し付け結婚させ、認知はせずにその子を内弟子として家に住まわせる。寿一(長瀬智也)とは兄弟なのに、宗家の跡取り(寿一)と単なる弟子(寿限無桐谷健太)という関係を何十年もそのままほったらかしていた寿三郎。

 

寿三郎の子ども3人(寿一、踊介、舞)がその事実を知らされた時、それぞれ

 

「クソジジイ!!!!」と叫ぶなか、ひとり寿限無は「承知しました」とだけ。

 

その静謐さと目の奥にあるもの。

 

寿限無桐谷健太)のピシッと伸びた背中が美しくて、今まで持っていた桐谷のイメージ、“動”を覆す”静”に目を奪われてしまったよ…

 

それで終わるわけがないこのドラマ。

 

道成寺の鐘の中に入っているのはダイス(道枝駿祐)だとばかり思っていたら、寿限無… 目は怒りに燃えていて、それが能楽、「道成寺」の演目と重なって盛り上がりましたね… 4度目のあのセリフが効いた効いた。

 

「うるせぇ、クソジジイ」

安珍清姫伝説の後日譚に従い、白拍子紀州道成寺の鐘供養の場に訪れる。女人禁制の供養の場であったが、白拍子は舞を舞い歌を歌い、隙をみて梵鐘の中に飛び込む。すると鐘は音を立てて落ち、祈祷によって持ち上がった鐘の中から現れたのは白拍子が蛇体に変化した姿であった。は男に捨てられた怒りに火を吹き暴れるが、僧侶の必死の祈りに堪えず川に飛び込んで消える。
能楽で、道成寺の鐘から出てくるのは、怒り狂った蛇。寿限無の怒りとシンクロさせる手法はクドカンならではで、ほんと「いだてん」で落語とドラマを掛けあわせるあれを思い出して嬉しい限りです。
いい子でわきまえていて、台所事情の悪い観山家のためにアルバイトまでしていた献身的な寿限無像をどう壊していくのか楽しみでなりません!!!
そして。このツイートを見て、あああああああそうなのかぁ!と叫んでしまいました。

カラマーゾフを読んだことがないので全然気付かなかった… こういう教養みたいなもの、古典の知識を持ってるか持ってないかでドラマや映画や芸能全般の見え方が違うんだなぁと痛感しました。

 

古典はめんどくさい。でもきっと若い時に読んでおくとほんと後からその重要性がわかる。若いころの私に言ってやりたいなぁ。

 

道成寺にしたってそう。その内容がクリアに頭に入っていれば、初見でこの4話を観たときにこのドラマから受け取れる解像度みたいなものが上がっていたんだろうなと思うんですよね。

 

話が逸れました。

 

伝統芸能の家の醜聞、よく聞く話でもある。しかし、1話から我がままだけど愛嬌のある寿三郎にかなり気持ちが入ってきていたので、ここにきてかなりかなり引いてます。

 

良い意味で裏切ってくるクドカン、信用できる。

 

西田敏行の配役がもう見事としか言えない、この愛されキャラなのに鬼畜っていうのがね、素晴らしくて拍手です。

 

「家」をめぐる親と子どもと孫。好きなことを仕事にする。逃げること。伝統芸能を継ぐこと。

 

長瀬智也が表舞台に出るのはこれが最後らしく、こんなドラマを観れてほんとに嬉しい。泣いて笑ってっていう朝ドラ「おちょやん」のテーマとも重なってて、今の世の中に必要なのはこれだって感じがします。

https://yutaka-sukkiri.com/2021/01/26/ore-ie-1/

1話を観ての感想です。

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お越し頂きありがとうございました。

あじさい