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女性に生まれてよかったか?

TBSの火曜10時、コロナ禍でドラマ収録ができず、4年前の「逃げ恥」が再放送されていました。登場人物のセリフを聞いて想起したことなど。

ゆりちゃんの言葉

主人公みくりの伯母、ゆりちゃん。

土屋百合 演 - 石田ゆり子 1967年7月2日生まれ。みくりの伯母で桜の姉。通称「百合ちゃん」。外資系の化粧品会社「ゴダールジャパン」に勤務。最終話で部長になる。若いころに小一だったちがやに「一生結婚出来ない」と言われたことを根に持っている。独身のキャリアウーマン

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%83%E3%81%92%E3%82%8B%E3%81%AF%E6%81%A5%E3%81%A0%E3%81%8C%E5%BD%B9%E3%81%AB%E7%AB%8B%E3%81%A4#%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%82%B9%E3%83%88

 

会社でバリバリと働き、部下からの信頼も厚く、姪のみくりのことが大好きなゆりちゃん。

ある時、産休を取るという同僚に対して部下が、「ぶっちゃけ迷惑。」「土屋さんだって仕事増えるでしょう」。「むかつきませんか。」と言っているのを聞き、こんな風に返すんです。

悪いけどもうそんな次元にない。感謝。私の分まで産んでくれてありがとう。この年になるとね、もう嫉妬なんて通り越してる。<中略> だってその分働いているもの。税金納めてるもの。だからね、あななたたちもブーブー言わないの。今どき産休に理解のある会社の方がいいでしょ。それにね、福利厚生があるっていうことはまだ(会社が)安泰ってこと。

4年前に視聴した時は別に引っかからなかったのです。このセリフが「ゆりちゃん名言集」などにもまとめられていて、確かにもう次元の違うところにいっちゃってゆりちゃん清々しい!って思ってました。

でも、今回引っかかりを覚えてしまい…

どこかっていうと、

税金納めてるもの。

このセリフ。産休を取って子どもを産もうとしてる人は働かないから税金を納めてないってことだよね?

税金って働かないと納めてないのか…?

脚本家がここにどんな気持ちを込めたのか、よくわからないけれど、やっぱりここのやりとりは、産休を取って会社を休む人が会社にとってお荷物になってる、社会にとって税金を納めてない人が社会に貢献してないっていうようなメッセージに思えてしまう。

女性が子供を産むことが、社会的に疎まれてる…

女性が就職でも医大受験でも避けられてる問題っていうのは、結局女性は結婚してそのうち子どもを産む、そうなったら自由に時間を使えなくて子供は熱も出すしすぐ病気になるし、会社に来れなくなる、戦力にならなくなる、っていう考え方が根深いんだろうと思う。

だから子供を産もうとする人だって少なくなるのは必然で、出生率は下がり続け、今年2020年にとうとう人口の半分が50代以上になるらしい。

社会全体で子供を産みたいと思わなくなるように導いてるんだと思う。

ラジオで聞いた言葉

好きなラジオ局があってよく聴いてるんだけど、そこの有名なパーソナリティ(男)が言ってました。生まれ変わっても絶対女性には生まれたくない、男がいいって。

このパーソナリティ、かなりセクハラがひどくて、ラジオ局に苦情のメールを書いたこともあります。

その時の文脈としては女性に生まれるとたいへんだから絶対女性はいやだって。この件については別に苦情書いてません。だろうなって思っただけで。

セクハラDJだから、男性っていうだけでこの社会でメリットを受けまくってることそれをちゃんと知ってる。

女だとみくびられる

家人と一緒にいると感じないことを私一人だとみくびられてるってこと、お店やいろんなサービスで感じます。

男だと向こうもバカにしないけど女性だとってやつ。最低。

 

娘の考え

上の娘は、子供を産むどころか、結婚すら頭にない、と言い切ります。

私と家人の結婚生活を見てっていうこともあるかもしれないし、いろいろ考えるところがあるんでしょう。

子供を産むことのディスアドバンテージがあまりに大きい国。

子供を産むっていうことが重荷になる国。

私は全く結婚すべき、とか子供を産むべき、とか思いません。

それぞれが考えればいいだけのこと。

産める性だからこそ

そこで発生するのが、女性に生まれたからこその選択肢。

男は決して産むことはできないが、女は産む臓器を持っている。

それが可能かどうかはおいておいて、そこに産むか産まないかの選択が生まれる。

男が悩む必要のない選択を女に生まれると考えなくてはいけなくなる。

そしていざ産むことができない、と知ると、自尊心が傷つけられ、周りからあることないこと勘繰られ、本当に苦しくなる。

私の妹は産むことができなかった。

望んだにもかかわらず。

絶望とか自責とか、そういうものを生み出す産む性を、ありがたいと思えるか。

産んだら産んだで、仕事やめるか続けるか、どうするか、その選択をしないといけない。男性は産む性じゃないからそんな選択すらしない。

最初からない。

 

私は生まれ変わっても女性に生まれたいかどうか、にすぐさまイエスと言えないでいる。

それくらい女性でいることがそんなに嬉しくない。

子供はかわいい。産んだことに全くもって後悔はないし、よかったと断言できる。

それでも。

そこで諦めたことや費やした時間の多さは計り知れない。

子育てでしか味わえないことがあるように、子育てをしなかった時間でしかできないことだってある。

全てを得ることはできない。

けれど、女と云う性の選択肢の多様さが生む悲喜こもごもを思うと、最初から男として生まれたいと思ったとしても、文句をつけないでほしいとは思う。

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お越し頂きありがとうございました。

 

あじさい