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自分を作ってる海外での経験

海外でのたくさんのハプニング。なぜだか昨日思い出して浸っていました。

初めての海外

大学4年生のとき、親元から離れて暮らしたことがなく、働き始めてからも家から出る予定がなかった私は、卒業前に、なんとか海外に行きたいと思いました。パッケージ旅行じゃなく、自分で歩いて汽車に乗って、泊まるところも探して決めてという旅行です。母親が極度の心配性で、相当な反対にあったのですが、私は譲らず、友達2人とまる1ヶ月のヨーロッパの旅に出かけました。

今ならば、インターネットでがあるからホテルや列車を予約したり、なんでもスマホで調べたりできて安心感が違うのだろうけれど、その当時は、「地球の歩き方」というガイドブックだけが頼りで、事前に手紙を出してホテルの予約を試みたりはしましたが、ある程度いきあたりばったりな旅行になることはわかっていました。

昨日、家族とその話をしたのですが改めて、よくそんな旅行に行ったものだ、という話になりました。怖いもの知らずだったなぁと自分でも苦笑してしまいます。

行った街など

ロンドン、ベルリン(当時はまだ西ベルリンのみ)、ローテンブルグ、パリ、バルセロナ(オリンピックの直前)、ピサ(斜塔が有名)、フィレンツェ、ローマ、バチカン、カイロ。

エジプト航空を使って、成田ーカイロ経由ーロンドン、その後は船とユーレイルパスという名前の列車の乗り放題みたいな切符を使って移動をし、最後ローマからカイロまでは飛行機。

トラブルもいっぱい

ベルリンからパリまで夜行列車に乗ったのですが、まず、そのベルリン駅で切符を買っているときに、ひとりの友達が一瞬置いただけのお財布を盗まれました。

現金はもちろん、クレジットカードも入っていて、ショックを受けながらも、彼女はがんばって日本のクレジット会社に電話をしていました。現金以外にも、その時はトラベラーズチェックというのを持って行くのが通例だったので、それでなんとか乗り切っていました。

 

国から国への移動は夜行列車でした。コンパートメントと呼ばれる6人掛けの割と大きめの個室が並んでいる列車なんですが、だれもが入れる車内。私たちは恐くて、ひとりずつ交代で起きていようということになりました。

私は夜遅くまで起きているのが苦手で、だから寝ちゃったんですよね。でも何も起きず、ああ良かったとホッとしたんですが、ふたりの友達からはかなりブーイングでした。

ロンドンとバルセロナでは手紙で予約しておいたホテルに泊まれないことになり、途方に暮れました。どうしてダメだったのか理由はもう覚えてないのですが、そのホテルの受付の方が他に泊まれる場所を紹介してくれたので、自分たちで地図を頼りに歩いてなんとかたどり着き、3人泊まれるとわかったときは安堵しました…

イタリアのピサでは、ひとりの友達は4月から勤める会社の研修があって既に日本に帰国していたため、もう1人の友達との2人旅になっていました。ホテルに行ったら、ツインの部屋がない、ダブルしか用意できないというんです。

選択の余地なくその友達とダブルに一緒に寝ましたよ… ホテル関係のあれこれは他にもあったはず。お金をできるだけ節約したいバックパッカーなので、部屋にシャワーすらないところにも泊まったし、今考えると、若くないとできない旅行だったなぁと思い返します。

ローマでは、地下鉄に乗ろうとホームで電車を待っていたら、いつのまにかホームレスのような人がワラワラと集まってきて囲まれそうに!急いで地下鉄に飛び乗って難を逃れましたが、あああああ~~~~と泣きそうでした。これが人生の中で一番怖かった経験です…

この旅行の醍醐味

それでも、毎日毎日が楽しくて自由で、知らないことだらけな世界を堪能し、日本では得られない感触を直に己の手で触って掴んでる感じが堪らなく嬉しくて、それまでとは違う呼吸をしてました。

端から見たら、そんな旅行をするなんて、ひとつ間違えばどんな恐ろしいことになる危険性があるか、と思われるのでしょうが、私は本当にその旅行ができて良かったなぁと、自分が親からも何からも抜け出せない、がんじがらめに感じていた思いを、この旅行で全部解き放って、自分は自由だ、どこにでも行ける(ただしお金は要る)と思うことができたんですよ!

戻れない

そしてもうひとつ。自分のために、家族に、友達に、たくさんお土産を買いました。最初に着いたロンドンでとても気に入った化粧品があったんです。

でも旅が始まったばかりのロンドンで、まだ買わなくていいかな、これから向かうたくさんの都市に同じものが売ってるだろうし、荷物も増えるし、と買うのをやめたんです。

そうしたら。

同じモノを見つけることはできませんでした。ロンドンで見つけた、あいいな、と思った化粧品はその後行った何処の街でも見つけることができなかったんです。

自分の住んでいるすぐそばのお店やデパートやモールであれば、また今度買おう、で終わります。でも、旅行で訪れた場所で、欲しいな、どうしようかな、買おうかな、やめようかなと悩んで買わなかったもの、後から、何十年経った今でさえ、買わなかったことを後悔して、もう2度とそこへは戻れないことが悔しくて悔しくて。

買わなかったこと、やらなかったこと、手にしなかったこと。後悔が残るのはいつも「しなかったこと」で、何かをしたことより、しなかったことの方がより記憶に残るものなんだと思います。

出会えた風景や人や物は、その一瞬だけのもの、後からまた、ということが2度とないもの。だからこそ、後悔しないようにしたいものだなぁと思うようになりました。

旅先で迷ったら、買っておこうとも思います。

終わりに

一緒にヨーロッパに行ってくれた友達2人に、とても感謝します。無謀で危険な旅行を、同じようにわくわくしながら計画して無事帰ってこれたことをほんとにありがたく思います。

この旅がなければ、今の私はいないだろうと言うくらい、貴重な1ヶ月でした。

旅に限らず、大切な時間の過ごし方、いろいろありますね。40代だって50代だって60代だって、遅いことなんてひとつもない。何かに一生懸命になって、自分の大事なものを大事にしていこうとつくづく思います。

*************** お越し下さりありがとうございました。

あじさい