MENU

一瞬も見逃せなくなる ~14回おんな城主直虎~

さておんな城主直虎14回「徳政令の行方」。

直虎柴咲コウ)が徳政令の約束を破ったことに腹を立てた甚兵衛山本學)ら百姓たちは、蜂前神社禰宜(ダンカン)を通して、今川に徳政令の発布を直訴する。直虎の政策に家臣たちが異を唱える中、政次高橋一生)は徳政令の発布を命じる今川の書状を読み上げるが、直虎は「甚兵衛たちの土地はすでに龍潭寺に寄進してしまった」とはねのける。徳政令を無効にされた甚兵衛たちは、禰宜の指示のもと銭主・方久ムロツヨシ)を連れ去り、今川の徳政令を受け入れるよう要求。「百姓たちの不満を収める」という政次に対し、直虎は井伊谷の民たちが潤うことを提案する。これにより直虎は甚兵衛や村人たちの心を捕え、方久の命も救う。   NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』

 

今週の雑感

前回、徳政令発布の依頼にきた村人たちに簡単にいいよ~と言ってしまった後にしまった、と後悔。今回、直虎が出した苦肉の策。政治、経済にまったく疎い城主ビギナーが、周りの助言と知恵と己の信じるところを合わせて国をまとめていく過程での人心掌握。

 

歴史物と言うと、戦さそのものや大物人物たちの駆け引き、兵法など、ハード面が取り上げられがちだけど(視聴率取れるし)、今回の大河の見どころは、こういう小さい領地の小さい領主の、見た目の規模は小さいけれど、そこに根を張ってちゃんと生きていた人たちがいたっていうことじゃないかな。

 

特に、大きな政も大事だけれど、領主始め実際に田を耕す民皆が幸せに食べていくために何が必要かを上に立つものが考えていく姿というのは、今の時代にもつながるものだし、普遍的だと思うのです。

 

視聴率があまり振るわないということですが、そこらへんを面白いと思わない人が多いのかな…と残念です。が、こうやって感想を書いてちょっとでも面白さを伝えていけたらいいな…

 

一瞬も

ひとつのシーンの目の動き、手の動き。何を表し、排除し、気持ちの変遷を見せようとしているか。直虎だけではなく、親類、家臣、政敵、民たちがどう感じどう考え、行動を変えるのか変えないのか。

 

そういうのを知りたくて、ながら見ができなくなってます。テレビの前でじっと画面を見つめるなんて、いつぶりかなぁ…

 

制作側が意図していることをちゃんとキャッチしたいし、自分なりの解釈をしたい。そこに生まれる物語をただ楽しみたい。

 

今週の見逃せないシーン

ピックアップしたいシーンはいくつもあるのですが、今週はここ。家臣の顔芸も楽しめました。

 

家老の小野政次が手を回し、今川から村の徳政令を発布せよ、との命令が来ました。それを伝えにきた政次に対し、直虎は、その村の土地は既に龍潭寺に寄進してしまったと告げます。今川家の作った法律によると、寺領というのは、領主が手出しをできない場所で、犯罪調査も徴税もできない、というのを逆手にとった奇策でした。→「守護不入」今川が作った法律をわざわざ出してくるところに直虎たちの智慧を感じます。

 

それを聞いた政次の顔色が変わります。

f:id:hydrangea2602:20170411124228j:plain

 

そして家臣の六兵衛と直之もその策にびっくり。Twitterではポメラニアンと呼ばれてました。

f:id:hydrangea2602:20170411124328j:plain

 

直虎と策を考えた金貸しの方久。ふんだんにおもしろパートを担ってくれてますが、この時はきりっと。

f:id:hydrangea2602:20170411124423j:plain

 

そして、慌てた政次が思わず手を…

f:id:hydrangea2602:20170411124727j:plain

 

f:id:hydrangea2602:20170411132343j:plain

いつも仮面を被っているひとの、その仮面が剥がれる時ってなんて色気があるんでしょうね。慌てれば慌てるほど、ぞくぞくしてきます。

 

それからこれ。直虎が自らの行動で民のこころを掴んだ時の、政次のなんとも言えない嬉しさと困惑と呆れ顔。もうとてつもない破壊力なんです。

f:id:hydrangea2602:20170411125212j:plain

 

来週への展望

直虎が今川からの命令を蹴ったということで、目付の政次が寿桂尼に呼ばれました。とうとう、直虎自ら申し開きにくるよう言いつけられ… 以前、直親が同じように呼ばれて今川に向かい闇討ちにあった過去をみるに、直虎が危険にさらされるだろうことは明らか。

 

政次が本当に闇落ちしたのかも最後の表情で十分読み取れるし、直虎が簡単に死なないこともわかっています。どうやって駿府までたどり着くのか、政次の真意が明かされることはあるのか。

 

政次ウォッチャーとして目が離せないし、直虎がどう危機を乗り越えていくのかもとても気になる。やっぱり物語ってカタルシスを得る瞬間の喜びに勝るものはないと日々感じます。今回の最後、それまで反発していた家臣が「殿…!」と言ったとき、ぶるっときましたよ…

 

それから、毎週出てくる当時使われていた言葉。守護不入であるとか、逃散(ちょうさん)であるとか。そういう新しい言葉、次は何でしょうね。

************

お越し下さりありがとうございました。

あじさい