同じ釜の飯と生身の男出現 ~22回 おんな城主直虎~
とうとうきちゃいました、バックハグ。
あらすじ
直虎(柴咲コウ)は材木の商いを始めるため、龍雲丸(柳楽優弥)率いる気賀の一団を井伊谷に受け入れることを決める。家臣の直之(矢本悠馬)は龍雲丸がかつて井伊領内の木を盗んだり、直虎をさらって身代金を要求したことを指摘し猛反対するが、直虎は井伊家の将来のために彼らの専門技術が必要だと主張する。しかし数日後、直虎の期待は裏切られる。龍雲丸の手下であるモグラ(マキタスポーツ)と力也(真壁刀義)が夜な夜な博打場を開くようになり、領民との間でトラブルが絶えなくなってしまったのだ…。さらにカジ(吉田健悟)は酒を盗んだと疑われ、ゴクウ(前田航基)は村の娘を追い回したと訴えられるが、当人たちは身に覚えがないと憤る。そんななか、政次(高橋一生)は彼らが井伊谷にいる間に技を盗むことを提案。しかし直虎は「使い捨てることは本意ではない」と譲らない。直虎は領民と気賀の一団の間にある思い違いを解こうと一計を案じ、「食事をふるまう」と言い出す。その策が功を奏し、協力して猪狩りをするうちに双方の距離が縮まり、誤解が解ける。 第22回「虎と龍」|あらすじ|NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』
今週の雑感
荒くれ者を手なづけ、家来とすることが果たしてできるのかっていうのが今週の話で。決して政次の嫉妬の生成過程をつぶさに見ることができたぞっていうのがメインじゃないはずなんですが、どうにもこうにも政次の鶴仕様の呆れ顔から但馬の慇懃な物の言い方まで、役の中で様々な顔を見せてくれる政次にばかり目も心も引き寄せられ…
気を取り直して。
共に生きる、の実践
直虎が前科のある者たちをいかにして家臣たちに認めさせ、民とも仲良くさせ、井伊の為、そして直虎が目指す「奪い合わずとも生きられる世」を作る為に何をしたらいいのか、すべきか。失敗も過程も見せてくれたのが楽しかった!
生まれや育ち、環境境遇。全てが違う人達(井伊家に仕える者、民、他所から来た盗賊)が果たして一緒に仲良く、お互いがお互いを必要とするような社会が作れるのか?
「やってみねばわからぬ」直虎の諦めのなさはもうギネスもの。博打場を開き、民との数多のいざこざが起こり、不安と疑心が飛び交う空気。家臣から(特に政次)は早く手を切るよう迫られ、たしかに民が困って苦しんでいるのにこのままでいいとは言えず…
しょうがない、っていう言葉は直虎の辞書にはないのか?!
直虎が考えだしたのが一緒に狩りをし、飲食を共にするというアイディアでした。確かにね、学校でお互い仲良くなるために最初にフルーツバスケットやったり、ドロケーやったり、泊まりで林間学校行ったり。
共有する時間と体験を得て、酒を飲みながらその体験を語り合い、苦労したこと、大変だったこと、お調子者がヘマをしたことを酒の肴にしつつ笑い合う。
同じ釜の飯を食うことでもたらすものが確かにある。外にいたものが中に入ってきて起きた軋轢も恐れも、横に座り、共に食べ、飲むことで剥がれていく瞬間を見ることができる。
少しだけ理想論に偏っているような気もしますが、龍雲丸も言うとおり、直虎にはひとを引きつける力があり、彼女から出る言葉に嘘偽りのないことを己の言動と行動とで周りに納得させていくブレのなさはすごいなぁ。
それでも来週はまた問題が起こりそうで。盗みなどの悪事を一度働いてしまうとどんなことが起きるのか、その地獄のようなものを見せられるのかな…(脚本が鬼なので)
龍は男
「盗もうが盗むまいが同じ」
何をやっても疎まれる、嫌われる、疑われるんだいう悲痛な龍の手下の叫びが辛くて。そういうどん底の思いをしたことがある者たちを束ねて思いを汲んで頭として統率している龍の人柄と懐の深さを見せ、今までにいなかったキャラとしての魅力全開。直虎の煩悩は滅しておらず、恋に落ちてしまった(のではないか?)のも納得でした。
なんといっても、彼は直虎が出会ったことのなかった、自由で何にも囚われずに逞しく生きてる生身の男なんですよね… 政次は直虎にとっては主従&兄妹&師弟で男ではない。そりゃ、惹かれる、です。
あああ、こうして書いてると、政虎をこじらせている私は辛い…辛いんです…
でもね、この龍の出現で直虎が自分は女性であることを自覚するのかもしれないし、そうならないと結局政次の思いに気付くことだってできないんだろうし、これは必須過程。そう。直虎が通過しなければならない、人として領主としての必須な経験なんだ、と思い込むことで乗り越えようと思います。確かに龍虎もビジュアル的にとても良いし…
政次に関してはまた次回… 毎日あの場面を思い出しては、あ”~~~~と心の中で叫んでます。
https://yutaka-sukkiri.com/2017/06/04/naotora-21-3/
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お越し下さりありがとうございました。
あじさい