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今週の政次 ~18回 おんな城主直虎~

もう明日再放送になってしまいました。前回、書けなかった続きです。

 

今週の政次

もう最近思うんですが、出演シーン全て… 但馬守の目に光が入っていなくて殿に対して慇懃なさま、鶴に戻った顔、亥之助やなつに対してだけ見せる優しい笑顔、全部見せ場のような気がします…

 

その中でも私がぐっときた場面をいくつか抜き出してみます。

 

12回との対比

12回というのは、タイトル回「おんな城主直虎」です。直親が死に、周りも次々に死んでいく中で、直虎が自ら城主となる決心をする回でした。

 

決心をする直前、今川にいた小野政次が帰り、井戸で遭遇する場面がありました。この政次はもう既に闇落ち?しており、ふたりのやり取りはそれはそれは緊迫し辛いものでした…

 

この時に、直虎(その時は次郎法師)が政次の着物を掴み、事の真相を問い質すシーンがありました。この時、政次は「恨むなら直親を恨め」と冷たく突き放します。

 

そして、18回。また直虎が政次の着物を掴むシーンがありました。しかし今回は、直虎自身が政次の真意に気づき、話をしようと歩み寄るもの。

 

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これを見ていた視聴者は、必然的に12回の辛い回を思い出したんじゃないか。その時の辛く悲しかった二人の会話を思い出させ、対比させることで今回のふたりの歩み寄りをより印象深いものにしていると思いました。

 

また12回との対比になるのですが、「直親を恨め」と突き放した政次の左目に光っていたのは、涙だったんです… 写真に撮るとちょっとわかりにくいんですが。

 

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直虎を突き放しながらも浮かべる涙。今回、直虎が一生懸命自分の考えを訴えているときにも、うっすらと涙ぐんでいるようなシーンがありました。

 

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全く意味の違うふたつの涙。政次の、懸命に井伊を(実は直虎を)守ろうとした事

が少し報われた瞬間でもありました。

 

なつに見せる顔

弟嫁のなつは、政次にとっては唯一の味方です。そのなつと甥の亥之助に見せる顔は、仕事全開但馬守政次のときとは全然違ったものですよね。特に今回はなつとの語らいのときに見せた顔があまりにもリラックスしていてなんだかちょっとドギマギしました。

 

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鶴の笑顔

直虎や他の家臣の前ではデフォルト但馬守の仮面をかぶっていることが多いのですが、直虎が「話そう」と距離を縮めてきたのを受けて、途端に顔が鶴になったのを皆さん見逃さなかったと思います。

 

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くるくる変わる表情と視線、瞬き。ドラマを見ているときに、演じている俳優さんのことを考えたりするのはあまり好きではなくて、その世界に本当に生きているかのようなその架空の人物にのめり込むのが心地よく、政次がまさにそれを体現していて、物語の中でリアルに息づくキャラクターを感じられるのがドラマの醍醐味だなぁと思います。

 

最後に

着物を掴むという行為について。直親が直虎を抱き寄せて愛のことばを囁いたりすることより、手を直接握るわけでもなく、ただ単に着物を掴むというだけなのに、よりグッときてしまうんですね、これが。(私だけかな)

 

触れ合わない様式美とでも言うのでしょうか。その政虎の関係性こそ、この大河ドラマにおける横糸のような気がします。この先たぶん政次は妻帯しない。直虎もきっとそう。性別も主従も越えた、なにか見たこともない関係を築いていくんじゃないか、と大きな期待をこめてわくわくしてます。

 

とりあえず、赤ふんのあの方が再登場ということで政次をイライラそわそわさせてくれることでしょう。厳しい局面に行く前に、また「綿毛の案」のような何回観ても和める回をよろしくお願いします。

 

https://yutaka-sukkiri.com/2017/04/07/fubin-masatsugu/

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お越し下さりありがとうございました。

あじさい