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不憫…に尽きる ~おんな城主直虎~

ここのところどっぷり沼にはまり込んでいる大河ドラマの中に出てくる人物のはなし。

不憫なひと

主人公を、一途にこころから愛する。その愛するひとは、自分を全く見てくれず他の誰かを愛している。

 

自分のことよりも愛する人のほうが大事。優先。そして報われない。そんな哀しいひと。マンガやドラマでそんな不憫なひとが気になって気になってしょうがない…

 

アンドレ政次

小学生のときに初めて読んだ「ベルサイユのばら」。男装の麗人、オスカルを側でずっと見続けてきた幼馴染、アンドレ。オスカルとは身分違いと自分で自分の気持ちを押し込め、影でいることを自分に課します。

 

オスカルは自分の気持を知らないし、フェルゼンのことを好きになるし。つらい。不憫。報われない。アンドレ

 

おんな城主直虎に出てくる、主人公の幼馴染、小野但馬守政次を見てたら、アンドレみたいで苦しい。これは不憫萌えと呼ばれるものらしいですよ…

 

最強不憫

今までにはまったマンガやドラマでも不憫萌えに苦しみました。たとえば、「キャンディ・キャンディ」に出てくるテリュース。「日出処の天子」の厩戸皇子。「BANANA FISH」のアッシュ。去年放映された「ふれなばおちん」の佐伯龍。

 

今までの私の中での最強不憫男子とも言える今回の小野政次Twitterでどんな風に言われているかちょっと見てみましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場面その1

最近の闇落ち後の不憫さに拍車がかかっているのですが、私にとって、非常に抉られる不憫場面、ふたつ紹介します。まずひとつめは7回「検地がやってきた」の回です。

 

少しあらすじを…

 

今川から役人が検地にやってきました。井伊には知られたくない土地があります。それを隠したい。でも見つかればタダでは済まない。目付の小野政次は、どうしても今川の立場寄りです。それを、井伊直親三浦春馬)は、幼馴染の政次に頼むのです。

 

もしバレたら井伊は小野を守らないけど、できたらこの土地内緒にしてね、よろしくね、でも決めるのは君だよ、ニコって感じで。

 

直虎は直虎で、政次が井伊を守ってくれるかどうか、いまいち信じられない。いてもたってもいられず、検地の前夜、政次に会いに行きます。

 

政次「なんじゃ、かような夜分に」

直虎「鶴、このとおりじゃ。こたびの検地は亀の味方をしてやって欲しい。亀は鶴のことを信じておる。どうかその気持ちを裏切らないでほしいのじゃ」

玄蕃(政次の弟)「次郎様、兄者は裏切るつもりはございま…」

政次「亀に言われて来たのか。」

直虎「違う。われはその… 亀の役に立ちたくて勝手に来たのじゃ。」

政次「では還俗して、俺と一緒になるか?」

直虎「え?」

政次「次郎様は俺の立場でものを考えぬお人であるらしいが、俺はあいつのせいで2度も好機を失っておるのだ。1度はあいつゆえにおとわ様が出家をし、もう一度はあいつが戻ってきたせいで、よい話を失った。」

政次「味方をするのはやぶさかではないが、俺も俺で、もう取りっぱぐれは願い下げでな。」

直虎「それは…」

政次「なんの覚悟もないなら、寺で経でも読んでおれ」

 

この場面での萌えポイントはふたつ。

 

ひとつめ

政次が自分を好いているとは知らない直虎。直虎の気持ちが直親にあることを十二分に知っている政次。直虎は検地に関して直親の役に立ちたい、愛する人が困るのは見るのはつらい。だからこその、この直虎の行動ではあるんだけれど、それを頼みに行くのが政次という…

 

頼みにいくということは、直虎が政次のことを信用していない、という裏返し。直虎の直親への愛と政次への不信を同時に知らしめることになる、というわけです。

 

ふたつめ

政次の台詞にあるように、直親が井伊に戻って来る前、直虎が還俗して政次と婚姻を結び井伊家を継ぐというはなしがありました。直親への思いが強い直虎は、それを阻止するために出家し僧となったのでした。(政次視点で辛いはなし…)

 

そこを踏まえての、「では還俗して俺と一緒になるか」の政次の言葉。これはどう見ても、彼の本音です。答えはノーだとわかっている。わかっているのに、言葉に出さずにいられない。そしてこういう機会にしか口にすることのない言葉。

 

直虎の「それは…」と口ごもる様子に、冷たく内に籠っていく表情。彼が幼馴染2人との絆を信じようとしても、結局自分は他所ものであるという哀しい運命。そして、決して直虎が自分のものになることはない現実をつきつけられたこの場面。こんなに不憫さの募るシーンに絶句…

 

 

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「では還俗して俺と一緒になるか。」

 

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直虎「それは…」

 

場面その2

13回「城主はつらいよ」回から。

 

闇落ちした(と見せかけているだけだと思うんだけれど)政次の、直虎に対している時と独りになった時の表情が違いすぎる!!

 

 

とにかく直虎の面前ではきつく厳しく挑発的。瞳はこころがないかのようにビー玉。そして自分の放った言葉の刃がブーメランのように戻ってきて政次自身を貫く様が美しすぎて泣けてきます。

 

 

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 睨む睨む。

 

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直虎が去った後。か、哀しい…

 

ここまで不憫にせずとも…とも思いつつ、どうなったらもっと不憫萌えするかしら、などど不謹慎なことを思ったりもしつつ。

 

今度の日曜日はどんな政次が見られるんだろう、と楽しみに待っています。

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お越し下さりありがとうございました。

 

どうも沼が深いようです…

 

あじさい