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「どこで間違ったか」

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今回の政次の台詞から思い出したいろいろをまとまりなく書いてみます。

政次「虎松様、何故かような有様になったかおわかりですか。どこが間違いの始まりであったかおわかりですか。」
 
虎松「今、考えております!」
 
政次「では、お待ち致しましょう」
 

冒頭、政次が虎松と囲碁をしていて、虎松が負けを認めた後の会話です。

 

政次、鬼のように怖い… 負けた後に、どこがその始まりであったかを考えるってきつい。厳しい。けれど、次、負けない為にはどこに原因があったのかを振り返ることは不可欠で…

 

この政次の台詞。これを聞いていたらふたつのマンガを思い出しました。

 

 

3月のライオン

今、中学生の藤井4段が将棋界で旋風を巻き起こしていて竜巻のようになってますが、このマンガの主人公がまさに中学生でプロになった棋士。その彼が名人と初めて対戦し、ある一手を指したときの台詞がありました。

 

指した7四歩から手を離す時

指の表面をひきはがすような感覚があった

 

ーー手を離した瞬間に

敗着だと気が付いた…

 

3月のライオン 8巻

 

将棋も囲碁もわからないので、いまいち感覚が得られないのですが、この主人公はこの一手が負けの始まりだったと、指した瞬間に気がついたんですね。気がついた瞬間、ここから最善手で指し通せたらこの将棋はどこまでいけるだろうって頑張るんです…

 

それでもやっぱり負けてしまうのですが、終わった後の感想戦ではその一手まで戻って、そこで違う手を指していれば、違う局面があったと気づきます。

 

 

海街Diary 7 あの日の青空

吉田秋生作、鎌倉を舞台に4姉妹の暮らしを緩やかに淡々と、たまに激しく紡がれています。映画化もされました。

 

次女の佳乃は地元の信用金庫に勤めていて、エリート銀行員を辞め転職してきた謎めいた雰囲気のある同僚に次第に惹かれていきます。彼の秘密はずっと明かされずにいたのですが、7巻でようやくそれを彼自身が語ります。

 

銀行に勤めていた時、担当していた顧客が事業に失敗。負債を抱えたが、資産を処分し、なんとか病気がちの奥さんと知的障害のある息子さんに負債を残さずに済んだ。ありがとうとも言ってくれた。

 

一ヶ月くらい後に道端でその人と出会う。気付いて手を振ってくれた。散歩なのかなと思った。それなのに… その人はその足で踏切に向かって行った…

 

何がいけなかったんだろう?

できる限りのことはやったつもりだった

少しでも役に立てたーーと思ったんだ

なのに

奥さんや息子さんをおいて

なぜーー?

 

ぼくはどこで間違ったんだろう?

もっと別の方法があったんだろうか

ぼくにはできなかった何かが

あの時返済計画がどうのと言う前に

「生きてナンボです!」って言ってあげられてたら?君みたいに

 

 

そうしたら もしかしたらあの人は

 

 

 私たちは毎日何かと何かのうちからひとつのものを選択し続けています。或いは3つ、4つの中から。卑近なことから将来を決めるようなことまで。

 

ご飯を食べる?パンにする?同じ目的地に行くにしても今日はこっちの道を行く?それともあっち?失恋した友達に対して、諦めるなと言う?次へいこうと言う?

 

ささいな選択を日々していて、その大きさにはあまり気づかなかったりもするんですが、節目節目に自分のとってきた選択を振り返ってみた時、あの時こうしていれば。あの時点で違う選択をしていれば。の後悔はひとつふたつではなく。

 

あの時、6000万の宝くじの番号をちゃんと確認していれば。

 

あの時、あっちの学校に行っていれば。

 

親に言いたいことを言えてれば。

 

 何か違う未来に行き着いて、ベターな自分がいたかもしれない。並行する世界の僕はどこらへんで暮らしてたのかなって遠い目になったり…

 

「たられば」を考えてしまいがちな私に、「もう人生のやり直しスイッチは押しません」と新しい生き方を教えてくれたのがカルテットで。

 

ずっとやり直ししたくてしょうがなかったけれど、勇気をもらえたなぁって思い出しました。

 

 

 

翻って、政次の言葉。この、

 

どこが間違いの始まりであったのか

 

を突き詰めるのは、決して囲碁だけの話じゃなく。戦国時代で生死を分ける選択をする際、決して間違えないよういつもギリギリのところでの判断を迫られていて、後継者の虎松に囲碁を通してその厳しさを教えようとしているのだと思います。

 

 実際、25回では木材の売買が当初上手く行き、これで井伊の経済もまわっていくか?という時に、今川からケチを付けられ、商業も政治も両方立ち行かなくなる状況に陥ります。

 

そこで直虎は、まさに、間違っていたところまで、即ち木材を売る前まで戻ろうと木材を取り戻すことを家臣に指示します。

 

この台詞が今回の話全体の構成にも関わっているということなんでしょうね。

 

そして、あまり考えたくないのだけれど、この先に訪れる悲劇にも繋がっているようでしょうがないです。この台詞を直虎の口から聞くような気がして… そしてそれに対し政次はきっと、なんの間違いもございませんでした、と言うような気がする… (ネタバレ関係全く読んでないので単なる妄想)

 

自らの間違いに立ち向かうこと。やり直せるならばそこまで戻ってやり直すこと。もしできないのであれば、自分の選択を肯定しそのまま受け入れ進んでいくこと。

 

ドラマにしろマンガにしろ、物語がまるで水先案内人のように導いてくれることが多くて、どれだけお世話になってるのかな…と思いながら書きました。

 

 

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お越し下さりありがとうございました。

 

洗濯物が乾きません。

 

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