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直虎46回を観て思ったことなど

久しぶりにつらつらと直虎のことを…

 

ここのところパソコンに向かって文章を書く時間がなく…

 

というのはたぶん言い訳で、なかなか気持ちがまとまらないというのがほんと。

 

ずっと書いてきた直虎についての感想が書けなくなってしまっているのは、いろんな気持ちがぐちゃぐちゃと混沌としていてなかなか出せないからだろうな…

 

政次退場で何かが一度私の中で終わってしまったんだろうと思うのです。槍で彼の命を自ら奪うという選択をしてひとり残された直虎をどう描くのかどうやって政次への思いを表していくのか、それだけが気になって気になって33回以降も前のめりになって観ていました。

 

毎回直虎の気持ちを見せてくれない話の流れに身悶えしながらじりじりともどかしい思いばかりを感じていました。どうしてかなぁ。どうして直虎が政次への気持ちを表してくれないのかなぁ、と脚本家に文句も言いたくなっていました。

 

Twitterではあまり否定的なことを書きたくないと思っていて。直虎に関してのネガティブな文言や脚本家本人への攻撃といも言えるような不満をぶつけることばを見るにつけ、決していい気持ちがしないので自重したいと思っているのですが、でもやっぱり心のなかではフツフツと湧き上がってはいたんです。

 

振り返ると。

 

あまりにも、前半から33回までの直虎政次の描き方が私のどストライクだったんですよね… 誰かが誰かを大切に感じる、思いが叶わずとも誰かを思う、それが性を越えて、その相手がそのひとじゃなきゃ絶対いけない訳がお互いにあって、それを何と名づければいいのかすらわからないようなそういう共依存とも言えるような関係。

 

私は最後までふたりが身体としての肉体の結びつきをせずに、着物の袖を掴み、布越しに触るだけで、身体そのものを触っているより以上のエロティシズムを感じたり、精神のシンクロニシティ囲碁で繋がり合うさまがまさにふたりの間の性愛行為のように思えてならず、そういった事も記事にしたりしました。

 

先週の46回は、直虎政次の相似形である家康瀬名の物語で、初期の頃から伏線を張り巡らしてそれを回収し、ここに至る物語を見せてくれることに感動しつつ、ひとつわかったことがありました。

 

直虎が慟哭しながら瀬名に思いをぶつける場面。33回以降、3ヶ月という(私からしたら)長い期間、直虎に政次のことを語らせなかった理由をここに観ました。直虎にとっての政次がどのような存在であったのか。

 

後悔と自責と手に残った槍の衝撃とをひとり胸に匿したまま時間を過ごしてきた直虎の思いを発露させ一瞬で表したあの場面(いつもは録画を何回も観るのですが、今回観ることができません…)ここまでマグマのように持っていた怒りを爆発させることで見せた思い、これこそが描きたかったことだったのか…と。

 

恋愛を一切はさまないふたりの関係、それだからこその虎と政。それぞれが恋愛感情を持つひとがいる設定をしながら、それでも揺るがない関係がもしかしたら可能なのかもしれないと思うようになってきました。32回や35回で膝から崩れ落ちるような思いになったりもしたのですが…

 

直虎は政次をどう思ってきたのか。その答えは、もう既にあったのではないか。

 

井伊ってのはあんたのことなんだよ、あんたを守ることを選んだのは政次なんだと龍雲丸に言われた直虎が

 

 直虎「頼んでなどおらぬ。守ってくれなどと頼んだ覚えは一度もない!!!」

 

18話でも、 

直虎「政次、我は己で選んだのじゃ。この身を直親の現身とすることを。誰に望まれるでもなく強いられるのでなく己で選んだ。己の手で井伊を守ると我は己で決めたのじゃ。故にもし、我がおなごであるから守ってやらねばならぬと、辛い思いをさせずとも済むようと考えておるのであればお門違い。無用の情けじゃ。」

 

 

おなごに生まれたことを自分の罪のように感じて生きてきた直虎はずっとずっと守られる対象になることを拒み、政次はおなごであるから守りたいわけではなく、直虎だからこそ、その笑顔をずっと見ていたい大事にしたい、と思ってきたに違いなく、その気持ちのズレ加減がまさにこのふたりの関係の幹であって、結ばれないから悲劇だとか、33回のトラジックな最期が悲惨だとか、決してそういうんじゃないんだ!!という結論が私の中で出ました。

 

恋愛関係ではなく、性を越えて結びつこうとするふたり。お互いがお互いを思いながらも最後まで気持ちが隔たっていて、直虎に残されたことは政次を槍で突くことだけ、残った感情は怒りだった。

 

その怒りこそが直虎の原動力で、それが揺るがないからこそ、家名にこだわらず井伊谷を平和な地にしてきた。そして今回、家のために死んでいった政次をトレースするかのような瀬名の死によって、この世の中そのものを変えようという野望を持つようになった… 

 

政次を代償にしながら、しかし犬死ににしないがために、直虎は何ができるのか。家というものにがんじがらめになっている武家への絶望と、万千代の存在によって見えてきたそこから脱却するための次の一手。白い碁石を手にする直虎が殿に戻った瞬間が見れました。

 

 

 

全てが終わったら、また改めてまとめてみようと思っています。さて最終回、碁盤を前にして穏やかな顔で直虎を待つ政次が見れるでしょうか…

 

  

 

hydrangea.hatenablog.jp

 

 

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お越し下さりありがとうございました。

 

紅葉が美しくて、寒さとセットだけれどこの時期だけの色を愛でたいです。

 

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