この間、Twitterで気になることがツイートされていました。今日はその話を。
元ネタがわからないがために面白さを理解することができなかったギャグやパロディーに当たるたび、某アニメで某出っ歯が語った「笑うという行為にはそれなりの知識と教養が必要」って言葉を噛み締めて悔しくなる。己の無教養が原因で正確に相手の意図を受け取れないってすごく勿体ない。
— 灰野 (@hakoniwa6) 2017年5月9日
某アニメの某出っ歯というのは、「おそ松さん」(おそ松くんではなく)のイヤミのようです。
娘が毎週食い入るように見てた「おそ松さん」ですが、私は見たり見なかったりでした。元祖をリスペクトしつつオリジナルギャグ炸裂、未だにいろんなコンテンツとコラボし、グッズが売れている超優良アニメです。
イヤミが言ったのは、こういう言葉らしい。
「プロになるなら軽々しく「面白くない」と言うなザンス。笑うという行為には、それなりの知識と教養が必要、つまり…。チミように「面白くない」と簡単に切って捨てる輩は、自分にはそれがないと言っているのと同じザンス!」
結構重い言葉です…
おもしろくないと簡単に切って捨てる前に自分にそれなりの知識や教養があるかどうかを自問しろと。
これ、私も最近すごおく感じるんです。ギャグやパロディを面白く感じるにはその元ネタを知っていることが前提なわけで、制作側の伝えたいことをそのままド直球で受け取りたいのにそれができないとほんと悔しいなぁ…
おそ松さんの第1回にもこれでもか!というくらいたくさんの有名なアニメのパロディがありました。進撃の巨人、セーラームーン、暗殺教室…
ここに出てくるアニメをどれだけ知っているかで楽しさが違ってくるような気がします。
そして今私が毎週ハマっている「おんな城主直虎」。タイトルが必ず名作タイトルのパロディなんです。19回は、珍しくそのまんま「罪と罰」というドストエフスキーの著作でしたが。これなどはあまりに有名なので知らない人のほうが少ないくらいなんですが、わからないものもたくさん。
特にこの間「あるいは裏切りという名の鶴」というタイトルがあったのですが、元ネタが思い浮かばないどころか、調べた後も聞いたことすらないもの。悔しいですよねぇ。特にすごく盛り上がっていて毎週心待ちにしているドラマですもん。
おんな城主直虎のサブタイトルは名作をモチーフに!元ネタって何?
またまた大河ドラマ関連ですが…こんなツイートがありました。
夏目漱石「月が綺麗ですね」
— 🚕 (@whitetaxi_) 2017年4月30日
二葉亭四迷「私、死んでもいいわ。」
小野政次「後見を降りろ」←New!!
#おんな城主直虎
夏目漱石が英語の I love you. を日本語で「愛しています」と学生が訳したところ、日本人はそんなことは言わない、「月がきれいですね」とでも言っておけばいい、という逸話から有名になりました。
二葉亭四迷の訳は知らず。そのツイートの面白さはわかったけれど、なんか半分くらいなのが消化不良で残念。
しかし、小野政次が度々言う「後見を降りろ」が遠回しの愛の言葉だと気付くのと、それを瞬時に夏目漱石と二葉亭四迷の言葉を組み合わせることを思いつくなんて。このツイートをした人の瞬発力と洞察力と知識力が素晴らしい。
また、歴史ドラマを見ていると、その背景を知っているかどうかで面白さが違ってくるなぁと自分の知識のなさが悲しい今日この頃。もちろん直虎を見ていても、周りの大国の情勢についてはナレーションと台詞とで補われ、わからなくてもちゃんと理解できるようにはなっているのですが、例えば武田家のはなし。
私には今川と武田と北条が同盟をしていたということすら未知でした。あの頃のことは桶狭間の戦いで今川が負けた、ということくらいしか知識がありません。あと去年の真田丸を見ていて知ったのは武田家は信玄亡き後、勝頼が継ぐものの滅亡してしまったということくらい。
今回、今川氏真と寿桂尼との会話で、今川家が武田信玄の父信虎を庇護していたことがわかりました。でもぴんときません。そこでWikipediaで調べたのですが、信玄は父を追放してしまったんですね。それくらい親子の関係が断絶していた。そして今度信玄は自分の長男を幽閉し廃嫡、今川と関係が悪くなることも厭わないという状況が描かれていました。
こういった背景を知ると、歴史が私の頭の中で立体的に動き出すような、ぐるぐると回り出す渦のようなものを感じます。ちゃんとドラマを理解したい。史実を知り、その知識を得てから見ればまた違った風景が目の前に広がることでしょう。
ということで、4月から再放送が始まった10年前の「風林火山」を毎週見ています。直虎の時期よりは年代が古いですが、出て来る人物が重なっていたり、去年の真田丸の真田家が出てきたりで、見ていてとてもおもしろくて、直虎でじわじわとその強大なちからを表し始めている武田家のことを知るのは楽しいです。
それから、本も読みたいなぁと思いました。Twitterで見かけた、こちらの「武田氏滅亡」。実際本屋さんに行って手にとってみたのですが、分厚くてずっしり重い… これを読むのはもうちょっと知識を得てからにしようと思い、結局、井上靖の風林火山にしました。
映画や本、マンガやドラマ、時間が有り余っていた若い時にもっと時間を取ってたらなぁ…と後悔先に立たずであります。が、若い時の映画代は高くてなかなか払えなかったし、大人になった今だからこそ、大人買いや映画はしごもできたりしてます。
しかし、いわゆる古典と呼ばれるものは、この歳になるとなかなか食指が伸びず。学生の時に勉強した(はずの)アーサー王伝説とか聖杯伝説とか、今なら興味津々で講義を受けられるのになぁ…
「罪と罰」は高校生の時に図書室で借りて読んだ記憶はあるけれど、「カラマーゾフの兄弟」は積読。「嵐が丘」も途中で挫折したような気がするし、「風と共に去りぬ」は読んだような気もするけど内容全然覚えてない。
「白夜行」のドラマを見ていても、主人公の「レッドバトラーみたいになる」と聞いても、あれ?レッドバトラーってどんなんだったけ?なんか不躾でヤなやつだった??と台詞の意味するところがわかりません…
以前にも書いたけれど、インプットとアウトプット、きちんとインプットしたいなと思ってはいるけれどやっぱり意識しないと、時間に流されて一日がすぐに終わってしまうなぁと思いました。特に私の若い時とくらべて今はスマホもパソコンもDVDもあるし簡単に時間つぶしできますもんね…
でも、いいこともあります。夜中に眠れないときにはAmazonプライムでドラマや映画をみれるっていうこと。これも現代ならではの便利さです。
ギャグやパロディを笑う、楽しむ。ドラマの中に張り巡らされた元ネタを理解する。いくつになっても貪欲に知りたい欲を持ち続けます笑
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