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言葉の波の間を

[caption id="attachment_2386" align="alignnone" width="640"] stevepb / Pixabay[/caption]

昨日Amazonプライムで「舟を編む」を観てまた思いついたあれこれを。

 

舟を編む」という題名には、こんな説明がしてあります。

 

「辞書は言葉の海を渡る舟、編集者はその海を渡る舟を編んでいく」という意味でこの書名が付いている。

 

言葉の海。

 

そうか。私たちは言葉の海の中で暮らしてるんだ。生まれると、絶え間なく周りから言葉をかけられて言葉を覚え、えら呼吸できるようになって言葉の海をずっと泳いでる。

 

ふだんは泳いでる意識はないんだけれど、この映画を観ていたら、本当に、言葉の浮かんでいる海の中をぷかぷか泳いでる感覚が生まれてきて、とても楽しくなってきました。

 

本を読む。短歌を読む。詩を読む。歌詞を聴く。マンガを読む。会話をする。冗談を言う。文句を言う。ケンカをする。質問する。Twitterでやり取りする。ブログを書く。

 

毎日接する言葉にアンテナを立てて暮らす。

   

最近気になる言葉たち。  

文章という不完全な容器に盛ることができるのは不完全な記憶や不完全な想いでしかないのだ。   「ノルウェイの森村上春樹
言葉はなお そこいらじゅう やたらと増え続けている 古いことわざを持ち出したりした日にゃ 13巻くらいの辞書になるだろう たのしい時何て言う たのしいですと言う それでいいだろ 言葉なんて      「何と言う」奥田民生
「愛してる」とはなんて無力な言葉だろう 私は今も まだひとり ここから歩み出せない 「さよなら」は無かった 何も言わず消え去ってしまった こんなに満たしておいて 最後の言葉はくれなかった  「words」Aimer

 

不完全。無力。深い愛を向けながらも言葉なんてそんなもん、と突き放す。

 

言葉は愛しい。でも、自分の内の思いが強ければ強いほど、それを置き換えるような完璧な言葉が見つからない、もともとそんなもの初めからない、と途方に暮れる。

 

それでも私たちは言葉を使わずにはいられない。そこへ気持ちを向け、なんとかして思考やこころに渦巻いているものに名前をつけようと試みる。

 

そうやって表されたものに圧倒されることがあって、その先を知りたくてまた言葉の海を泳いでいく。

 

22歳の春にすみれは生まれて初めて恋に落ちた。広大な平原をまっすぐ突き進む竜巻のような激しい恋だった。それは行く手のかたちあるものを残らずなぎ倒し、片端から空に巻き上げ、理不尽に引きちぎり、完膚なきまでに叩きつぶした。  「スプートニクの恋人村上春樹

 

「なぎ倒す」

 

私も何か全部残らずなぎ倒したくなってきます笑 何をなぎ倒そう。

   

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お越し下さりありがとうございました。

 

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